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  1. 埼玉県議会 2011-06-01
    06月30日-06号


    取得元: 埼玉県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-06
    平成23年  6月 定例会六月定例会  第十一日(六月三十日)平成二十三年六月三十日(木曜日)第十一日 議事日程 一 開議  午前十時 二 監査結果報告(企画財政部財政課ほか百六十三か所) 三 陳情の報告 四 知事追加提出議案の報告、上程    第九十五号議案 五 知事の提案説明 六 知事提出議案(第九十五号議案を除く。)に対する質疑並びに県政に対する質問    三十四番  森田俊和議員 七 知事提出議案(第九十五号議案を除く。)に対する質疑並びに県政に対する質問(続行)    五十一番  松沢邦翁議員     五十番  梅澤佳一議員 八 第九十五号議案に対する質疑 九 第八十五号議案~第九十五号議案並びに請願の各委員会付託 十 次会日程報告    七月一日(金)、五日(火)、七日(木) 議案調査    七月二日(土)、三日(日) 休日休会    七月四日(月)~六日(水) 委員会    七月八日(金) 午前十時開議、委員長報告、質疑、討論、採決 十一 散会          ----------------本日の出席議員    九十三名       一番  藤澤慎也議員       二番  井上 航議員       三番  中原恵人議員       四番  白土幸仁議員       五番  日下部伸三議員       六番  木下高志議員       七番  枝久保喜八郎議員       八番  山下勝矢議員       九番  小川真一郎議員       十番  齊藤邦明議員      十一番  安藤友貴議員      十二番  権守幸男議員      十三番  水村篤弘議員      十四番  井上将勝議員      十五番  菅原文仁議員      十六番  江野幸一議員      十七番  武内政文議員      十八番  中野英幸議員      十九番  星野光弘議員      二十番  加藤末勝議員     二十一番  須賀敬史議員     二十二番  新井一徳議員     二十三番  伊藤雅俊議員     二十四番  沢田 力議員     二十五番  石井平夫議員     二十六番  萩原一寿議員     二十七番  山本正乃議員     二十八番  高木真理議員     二十九番  中川 浩議員      三十番  舟橋一浩議員     三十一番  小野克典議員     三十二番  野中 厚議員     三十三番  諸井真英議員     三十四番  森田俊和議員     三十五番  神尾高善議員     三十六番  岩崎 宏議員     三十七番  土屋惠一議員     三十八番  和田 浩議員     三十九番  高橋政雄議員      四十番  加藤裕康議員     四十一番  藤林富美雄議員     四十二番  田並尚明議員     四十三番  菅 克己議員     四十四番  木村勇夫議員     四十五番  村岡正嗣議員     四十六番  中屋敷慎一議員     四十七番  石田 昇議員     四十八番  鈴木正人議員     四十九番  松本恒夫議員      五十番  梅澤佳一議員     五十一番  松沢邦翁議員     五十二番  小林哲也議員     五十三番  中村 健議員     五十四番  藤本正人議員     五十五番  宮崎栄治郎議員     五十六番  荒川岩雄議員     五十七番  鈴木 弘議員     五十八番  塩野正行議員     五十九番  岡 重夫議員      六十番  浅野目義英議員     六十一番  佐藤征治郎議員     六十二番  柳下礼子議員     六十三番  細田徳治議員     六十四番  齊藤正明議員     六十五番  渋谷 実議員     六十六番  大山 忍議員     六十七番  小島信昭議員     六十八番  鈴木聖二議員     六十九番  北堀 篤議員      七十番  鈴木義弘議員     七十一番  島田正一議員     七十二番  小谷野五雄議員     七十三番  田村琢実議員     七十四番  本木 茂議員     七十五番  石渡 豊議員     七十六番  蒲生徳明議員     七十七番  畠山 稔議員     七十八番  醍醐 清議員     七十九番  長峰宏芳議員      八十番  樋口邦利議員     八十一番  竹並万吉議員     八十二番  田中千裕議員     八十三番  田中龍夫議員     八十四番  奥ノ木信夫議員     八十五番  長沼 威議員     八十六番  井上直子議員     八十七番  神谷裕之議員     八十八番  谷古宇勘司議員     八十九番  佐久間 実議員      九十番  野本陽一議員     九十一番  西山淳次議員     九十二番  福永信之議員     九十三番  山川百合子議員   欠席議員    一名     九十四番  吉田芳朝議員地方自治法第百二十一条の規定により説明のため出席した人   上田清司  知事   塩川 修  副知事   広畑義久  副知事   下仲宏卓  企画財政部長   倉上伸夫  総務部長   土屋綱男  県民生活部長   吉野淳一  危機管理防災部長   高橋和彦  環境部長   荒井幸弘  福祉部長   降田 宏  保健医療部長   松岡 進  産業労働部長   海北 晃  農林部長   成田武志  県土整備部長   岩崎康夫  都市整備部長   岩橋 薫  会計管理者   石田義明  公営企業管理者   名和 肇  病院事業管理者   加藤孝夫  下水道事業管理者   前島富雄  教育長   横山雅之  警察本部長             発言(質問)通告書  六月三十日(木)議席番号 氏名      要旨 答弁者三十四番 森田俊和議員  1 地方から政治を活性化しなければ! 知事             2 防災対策、省エネ対策としての植樹について 知事             3 エネルギーの使途に見合った自然エネルギーの利活用について 環境部長             4 農産物、畜産物に対する放射能対策について 農林部長             5 「彩のかがやき」その後について 農林部長             6 一日保育士体験について 福祉部長             7 農業大学校の移転について 農林部長             8 元荒川最上流部の環境保全について 環境部長五十一番 松沢邦翁議員  1 越谷市の中核市移行について 知事             2 県の災害対策について              (1) 災害時の他県との相互支援協定について 知事              (2) 災害時の緊急輸送道路対策について 〃              (3) 切り土・盛り土をした住宅の被害対策について 都市整備部長              (4) 瓦礫の仮置き場確保について 環境部長             3 農産物の放射能汚染と風評被害への対応について 農林部長              (1) 本県農産物への影響と対応について              (2) 検査結果の公表について             4 水辺再生事業の継続あるいは事業発展について 県土整備部長             5 地元問題について              (1) 新方川整備計画の進捗状況について 県土整備部長              (2) 越谷市内の都市計画道路の進捗状況について 〃              (3) 越谷レイクタウン地区全体の防犯対策について 警察本部長 五十番 梅澤佳一議員  1 安全な埼玉の県土づくりについて               - 液状化被害に向けた取組について - 知事             2 埼玉県の高校改革について 知事 教育長             3 さいたま新都心第八-一A街区の整備について 知事             4 水道広域化の推進について 保健医療部長 公営企業管理者             5 高齢者の就労支援について               - シルバー人材センターの課題とその対応について - 産業労働部長             6 子育て応援マンションの認定に係る地域コミュニティについて 都市整備部長             7 介護職員の確保と定着について 福祉部長             8 地元問題について 県土整備部長              (1) 都市計画道路幸手鷲宮加須線の整備について              (2) 青毛堀川の改修について          ----------------午前十時二分開議 出席議員    九十三名     一番    二番    三番    四番     五番    六番    七番    八番     九番    十番   十一番   十二番    十三番   十四番   十五番   十六番    十七番   十八番   十九番   二十番   二十一番  二十二番  二十三番  二十四番   二十五番  二十六番  二十七番  二十八番   二十九番   三十番  三十一番  三十二番   三十三番  三十四番  三十五番  三十六番   三十七番  三十八番  三十九番   四十番   四十一番  四十二番  四十三番  四十四番   四十五番  四十六番  四十七番  四十八番   四十九番   五十番  五十一番  五十二番   五十三番  五十四番  五十五番  五十六番   五十七番  五十八番  五十九番   六十番   六十一番  六十二番  六十三番  六十四番   六十五番  六十六番  六十七番  六十八番   六十九番   七十番  七十一番  七十二番   七十三番  七十四番  七十五番  七十六番   七十七番  七十八番  七十九番   八十番   八十一番  八十二番  八十三番  八十四番   八十五番  八十六番  八十七番  八十八番   八十九番   九十番  九十一番  九十二番   九十三番 欠席議員    一名   九十四番 地方自治法第百二十一条の規定により説明のため出席した人   知事       副知事(塩川)  副知事(広畑)   企画財政部長   総務部長     県民生活部長   危機管理防災部長 環境部長     福祉部長   保健医療部長   産業労働部長   農林部長   県土整備部長   都市整備部長   会計管理者   公営企業管理者  病院事業管理者  下水道事業管理者   教育長      警察本部長 △開議の宣告 ○鈴木聖二議長 ただ今から、本日の会議を開きます。          ---------------- △監査結果報告(企画財政部財政課ほか百六十三か所) ○鈴木聖二議長 この際、報告をいたします。 監査委員から、企画財政部財政課ほか百六十三か所に対する監査結果の提出がありましたので、御報告いたします。〔参照-(一三三)ページ〕          ---------------- △陳情の報告 ○鈴木聖二議長 次に、前定例会から今定例会までに提出された陳情につきましては、陳情文書表としてお手元に配布しておきましたから、御了承願います。          ----------------知事追加提出議案の報告 ○鈴木聖二議長 知事から議案の追加提出がありましたので、報告いたします。 議事課長に朗読させます。       〔議事課長朗読〕財第一九四号  平成二十三年六月三十日 埼玉県議会議長  鈴木聖二様                        埼玉県知事  上田清司       県議会付議議案について 本議会に付議する議案を次のとおり提出いたします。第九十五号議案 埼玉県税条例の一部を改正する条例 ○鈴木聖二議長 ただ今報告いたしました議案は、お手元に配布しておきましたから、御了承願います。〔参照-(三二)ページ〕          ---------------- △第九十五号議案の上程 ○鈴木聖二議長 知事から追加提出された第九十五号議案を議題といたします。          ---------------- △知事の提案説明 ○鈴木聖二議長 知事の説明を求めます。 上田清司知事       〔上田清司知事登壇〕 ◎上田清司知事 ただ今、御提案申し上げました議案について御説明をいたします。 去る六月二十二日、地方税法等の一部改正法案が国会で可決、成立したところでございます。 第九十五号議案「埼玉県税条例の一部を改正する条例」は、この法改正に伴い、不動産取得税につきまして、納税義務の免除措置の一部を廃止するものでございます。 何とぞ慎重審議の上、御議決を賜りますようお願い申し上げます。          ----------------知事提出議案(第九十五号議案を除く。)に対する質疑並びに県政に対する質問 ○鈴木聖二議長 これより、知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。 発言通告がありますので、順次これを許します。 三十四番 森田俊和議員       〔三十四番 森田俊和議員登壇〕(拍手起こる) ◆三十四番(森田俊和議員) 皆さん、おはようございます。 一般質問最終日ということで、皆さん大変お疲れのところと思いますが、元気に質問をしてまいりますので、よろしくお願いいたします。 思い起こせば四年前、やはり当選後すぐの六月議会におきまして、初めての質問に立たせていただきました。再び、二期目当選後、初の議会で質問に立たせていただき、大変光栄に思っております。 本日は、地元、熊谷から大勢の皆様方に傍聴に来ていただいております。知事はじめ執行部の皆様方には、是非とも明瞭かつ前向きな答弁をお願いいたします。 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして、張り切って質問させていただきます。 さて、国政が大揺れに揺れております。とても、こんな人たちに国政を任せることはできないという憤りの声があちらこちらから聞こえてまいります。既に、怒りを通り越して、あ然としてしまうという状況です。 しかし、改めて考えてみますと、私は今の状況というのは、あくまで氷山の一角であり、また首相が替わり、あるいは政権が変わったとしても、そう変わらない状況が生まれてしまうのではという危惧を抱いております。 それはなぜか、今の政治が根なし草になってしまっているからです。民主主義の学校と言われている地方の政治が弱体化し、政治がテレビ、新聞あるいはインターネットの上だけの国民から縁遠い存在になってしまっております。 一昨日、舟橋議員からも投票率の低さを懸念する質問がございました。地域コミュニティという基礎から政治を構築していかないと、いつになってもしっかりとした政治は根づいていきません。 十九世紀のフランスの政治思想家であるアレクシス・ド・トクヴィルは、「アメリカの民主主義」という本の中で、民主主義の社会においては、人々は瞬時に判断をしなければならず、そのときに目を引くものを基準としてしまう、と分析をしております。このため、パフォーマンスにたけている人が支持され、本当に世の中のことを考えている人が支持されない結果となると述べております。 それでは、国民の皆さんにきちんと判断してもらうためには、何が必要なのでしょうか。人々の関心を公共の利益に向けること、また公共の利益を実現させるためには、相互の絶えざる協力が必要であるということを人々に理解してもらわなければならないのです。そのためには、何が必要か。大きな事業の指導を任せるということではなく、小さな仕事の管理を任せる方が、はるかに役に立つとトクヴィルは言っております。 先日の星野議員の質問でも指摘されたところですが、一番身近な存在である市町村を活性化するためには、より高度な幅広い自治機能を持たせなければなりません。しかし、それがすなわち単に面積を大きくし、あるいは財政規模を大きくしなければならないということではありません。例えば、アメリカには約二万、フランスには三万六千の基礎自治体がございます。これ以上の合併を続ければ、ますます政治行政が縁遠い存在になる危険があります。 先日、石巻市の沿岸部を訪ねてまいりました。村ごと津波にさらわれた大原地区というところで、漁協の役員さんとお話をする機会がございました。行政も、漁協も、大きな「石巻市」というくくりになってしまい、がれきの撤去や漁港の片づけ、漁船の修理の補助といった課題も手つかずになってしまっているということを言っておられました。元の役場に担当者がいても、まるでかかしのようで何もできないと嘆いておられました。 財政基盤が問題ならば、基盤がなければできないことは県や事務組合で預かれば良いわけです。人件費が高いということであれば、例えば議員や首長、職員の人数、役割、報酬体系を大幅に変えるということがあっても良いと思います。全国画一の基準を保つことよりも、住民が議論をし、方向性を決定するという過程を地域社会に残すことが大切です。「オラが村のことは、オラが決める」ということです。 基礎自治体の重要性は、将来、道州制が実現したとしても全く変わらず、県が以前の郡のようなイメージで市町村より広域の事務を扱い、道、州が広域の交通、経済、労働、高等教育といったことを扱えばよいわけです。全市町村の自治機能を最大限に発揮するためには、将来的には地方自治法の縛りを取り払うことも重要な課題ですし、今の枠組みの中でも合併せずに市町村が生き残れる方策を考えることは可能です。 知事は、この夏の知事選において、三期目の挑戦をされるというお話を伺いました。今こそ、地域にしっかりと根を張った政治をつくるため、合併だけに頼らず、住民自治に重きを置いた地方自治を推し進めることが大切だと思いますが、知事はいかがお考えでしょうか。国任せにはしておけません。是非、埼玉発で地方自治の本質的な改革を推し進めていただきたいと思いまして、お尋ねをいたします。 次に、防災対策、省エネ対策としての植樹について知事にお伺いいたします。 県のホームページに載っております植樹カウンターは、五月三十日現在で二百十八万八千九百七十九本に達しております。目標である一年間百万本をこの二年で達成しているということを喜ばしく思っております。今回の震災によって、植樹の必要性が再認識されております。以下、二点について質問させていただきます。 まずは、山間部を中心とした防災上の取組についてです。 横浜国立大学名誉教授の宮脇昭先生によると、今回の大津波によってさらわれたマツの防潮林は根が浅かったそうです。荒れた土地にも生え、潮に強く、防潮林にふさわしいとされるクロマツですが、一つの種類を大量に植えれば不自然な植生となり、気候変動や病害虫にもろい森林となります。宮脇先生は、地域の植生に合った複数の種類の木を植えれば、その木々は深く根を張り、より強い防潮林として機能するということをおっしゃっています。 同じようなことが埼玉県の山間部等についても言えます。林業に用いられるスギ、ヒノキといった木の森も、手入れを怠ると万が一の際には危険な状況を生むということも考えなければなりません。埼玉県では、さすがに津波への備えは必要ないでしょうが、土砂崩れや風水害に対応するためには、地中深く根を張ることができる土地本来のシイ、カシなどを中心とした複数の樹種による強い森が必要です。保水や防災への対応として、植栽の内容を考えなければならないわけですが、森林の質を高める取組として、県としてはどのようなことを考え、また取り組んでいくお考えでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。 次に、まちなかの問題です。グリーンカーテンが流行しております。とても良いことです。すだれも日陰をつくりますが、植物は日陰をつくるというだけではなく、葉からの蒸散によって気化熱で周りの気温を下げてくれます。 しかし、よく植えられているようなアサガオやヘチマ、ゴーヤといったツルの植物は一年限りのものです。これはこれとして、大変手軽で有効ですが、一歩踏み込んで防風、防火、夏の日よけ等、住環境を総合的に考えれば、やはり木に頼る必要があります。 日なたには、落葉樹を中心に、またそれ以外には常緑樹を中心に植えれば良いのです。私の事務所の周りには、五十本ぐらい木が植えてあるのですが、窓を開けておくとすーっと涼しい風が吹き抜けていきます。 ツルの植物のグリーンカーテンには限界もあります。大きな事務所や学校、役所では、四階、五階という建物になってしまい、とてもツルの植物では間に合いません。県庁にも、グリーンカーテンのネットが張ってありますが、三階までだったでしょうか、春から準備を始めても、現在ようやく一、二メートルほどといったところです。既に暑い日が続いておりまして、ツルが伸びるのがもどかしいという状況です。 一方で、県庁のコーナーにも少し離れたところには、ケヤキが既に青々とした葉を茂らせております。こうした状況を考えると、高い建物であればなおさら、落葉の高木を建物のそばに置いて、夏は日陰をつくり、冬は日差しを入れるということをすべきです。二十メートルくらいの高い建物であっても、エアコンに頼らない環境をつくり出すことができます。 いま一度、なぜ木が大切なのかということを、広く県民の皆様に知っていただく必要があります。住環境、地域環境という点から見た緑、木の大切さを具体的なメリットとしてお伝えしなければなりません。県民の皆さんお一人お一人に訴えていくということも大切でしょうし、基礎基本をしっかりと身に付けた住宅、建築、造園の業者さんたちを増やし、そういう業者さんたちから広めてもらうという視点を持つことも大切かと思います。クーラーを買うときには、電気屋さんで電気代が何千円お得になりますよと書いてありますが、木を植えるときには木を植えると涼しいですよ、幾らお得ですよ、あるいは火事の際には延焼を防いでくれますよとは誰も教えてくれません。専門家の方たちには、是非具体的なメリットを知っていただき、広めていただきたいと思います。 土地が狭いからといっても、幅が二、三十センチもあれば木を植えることができます。せん定が大変だから、あるいは落ち葉の片付けが大変だからといっても、それで何千円、何万円電気代が節約できるとなれば、あるいはいざというときには火を防いでくれるとなれば、そのくらいどうということはないという方も多いはずです。プラスの側面を県民の皆さんにお伝えすることで、身近なまちなかの緑がもっともっと増えていくはずです。省エネルギーのためにも、木を植えようということを広く宣伝し、かつ県民の皆さんに実践していただけるような取組を進めていくべきだと考えますが、知事はいかがお考えでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。 次に、エネルギーの使途に見合った自然エネルギーの利活用について、環境部長にお伺いをいたします。 自然エネルギーの活用というと、太陽光発電ばかりに目が行きます。これまでも、太陽光のメガソーラーについての質問がございました。しかし、本当に太陽光発電だけでいいのでしょうか。家庭でエネルギーがどのように使われているか、その内容に応じて自然エネルギーを活用していくということが大切です。 家庭では、照明やテレビにおよそ三五パーセント、給湯、お湯ですね、に三五パーセント、暖房に二八パーセントのエネルギーがそれぞれ使われております。太陽光を一度電気に変換して、更にその電気で水や空気を暖めるということであれば、もう一度エネルギーを電気から熱へと変換をする必要があります。二度、変換をしなければならないわけです。そうであれば、最初から太陽熱で温水をつくったり、また空気を暖めたりすれば、それで事が足りるということになります。 太陽熱を利用した給湯システムは、小さな面積でも効率が良く、例えばマンションのベランダ等も活用できます。また、太陽熱で暖めた空気や液体を循環させる暖房のシステムをソーラーハウスとして販売している例もあります。他国の例では、太陽熱利用を義務化しているところもあります。例えば、イスラエルでは一九八〇年から、スペインのバルセロナでは二〇〇〇年から法律あるいは条例で太陽熱利用機器の設置が義務付けられ、普及が進んでいます。 太陽光発電には、設置の補助があり、余剰電力の買取りの制度も充実しつつありますが、その他の太陽熱利用のシステムには一部太陽熱の給湯システムにエコポイントが二万円分つく程度で、補助、助成が十分になされていないというのが現状です。エネルギーの効率を考えれば、二度手間にならない太陽熱利用のシステムも普及させるべきと考えますが、エコタウンを目指すという埼玉県として、太陽光発電以外の太陽熱利用のシステムに対して普及を後押しするお考えがあるでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。 続いて、農産物に対する放射能対策についてお伺いをいたします。 本定例会に出ております補正予算案の中でも、農畜産物の放射能物質の検査費用が計上されておりまして、あるいはまた昨日の山下議員の一般質問でも、継続的な調査の必要性が指摘されているところです。農家の方も、消費者の方も、果たしていつまでこうした不安が続くのか、大変心配しておられます。 少し時計の針を巻き戻しますが、福島第一原発の事故以降、福島県をはじめ群馬、茨城、栃木など数県の野菜、原乳などから暫定規制値を上回る放射性物質が検出され、国が出荷制限を指示しました。埼玉県は、出荷制限は受けませんでしたが、この事故に関連して多くの野菜の値段が下がりました。例えば、キュウリの値段を見てみましょう。こちらの値動きをグラフにしております。埼玉県の価格がこの赤い字で示されているところですが、あとは群馬と茨城の価格でございます。キュウリは他県も含め、そもそも出荷制限はされていません。しかし、埼玉県産の値段も、茨城や群馬とほぼ同様に値下がりをしております。 また、畜産についてですが、埼玉県内の牧草について四月二十二日の調査で、熊谷と東秩父の検体から基準を超えた放射性物質が検出されました。既に、三月十九日に国から牧草の使用自粛が通知されておりましたが、この検査結果を受けて、改めて畜産農家の皆様には牧草の使用自粛を継続するようお願いをしております。現在は、放射性物質は基準以下のため、利用自粛は解除されておりますが、自粛期間中は牧草を廃棄しなければならず、また代わりのえさを買い求めなければならず、余計な出費を強いられたという被害が出ております。 農林水産省は、今回の原子力発電所の事故によって生じる損害については、出荷停止の指示を受けた農畜産物に限らず、一般論として事故との相当因果関係が認められるものについて、原子力損害の賠償に関する法律に基づき、適切な賠償が行われることになりますと説明しております。野菜農家も、畜産農家も、補償が認められれば一安心と言いたいところですが、さて具体的にどのような手続で補償がなされるかというところが心配です。 補償の範囲、損害の立証方法など、詳細については今後、原子力損害賠償紛争審査会が定めるとのことですが、農水省が説明するところによると、損害額を算出するために証拠書類が必要だということです。当該の期間に幾ら売り上げが減ったか、実損が生じたか、あるいは返品された実損額が幾らか、廃棄した場合の処分費用が幾らかなどなど、こうした言葉を聞いているだけでも頭が痛くなってきます。具体的な書類としては、出荷伝票、作業日誌、各種の領収書、損益計算書等の提出が必要になるようです。 かつて、一九九九年に茨城県の東海村で起きたJCOの臨界事故の際、およそ八千件の賠償申請があり、七千件に対して賠償金が支払われたそうです。このときの茨城県の対応では、いざ申請となってから急に必要書類を準備しなさいということになっても、なかなか準備ができず、思うような補償が受けられなかったという状況があったと伺っています。損害額を計算するといっても、作物の相場を把握しているのは農業団体であるとか、市場の関係者であるとか、専門家に限定されてしまいます。また、直売所で売っている方などを考えてみますと、果たして計算のしようがあるのかと心配になってしまいます。まさか、ないとは思いますが、書類を難しくすることで補償額を少なく抑えようということがあってはならないと思います。 こうした背景を踏まえ、原発事故により直接、間接に被害を受けた農家がスムーズに損害賠償請求できるよう、県としてどのような方策をお考えでしょうか。なるべく難しい書類仕事の負担を少なくするという意味で、是非とも農家の皆さんを応援していただきたいと思いますが、農林部長のお考えをお聞かせください。 続きまして、「彩のかがやき」その後についてです。 今日も朝から暑いですね。今年も暑そうです。先日二十四日には、早々と熊谷では三十九・八度を記録いたしました。熊谷駅前や市役所前には、テレビの中継車が詰めかけております。この先どうなってしまうのかなと思いますけれども、さて昨年は酷暑でした。特に、お盆過ぎの暑さによりまして、規格外のお米が多くできてしまいました。例年は九割以上、ほぼ全量に近いお米が一等米なのですが、昨年はおよそ七七パーセントが最終的には規格外、三等も二〇パーセントに上ったということです。 しかし、その後のPR、販売はすごかったです。正に、県挙げての取組の結果、様々なイベントでのPR、販売、又はJAやスーパー、お米屋さんでの小売を通じて全量を販売することができました。官民挙げての協力の成果であり、評価に値しますし、またお米を買っていただいた消費者の皆さんには感謝しなければなりません。 さて、去年のことを踏まえ、今年はいかがいたしましょうかということです。 まず、栽培方法についての工夫です。昨年度から、暑さを乗り切る栽培法の研究が始まっておりますが、今年の栽培について何か対応ができますでしょうか。研究ですから、すぐに何かできるということもないでしょうが、何かヒントなどがあれば御披露いただきたいと思います。 また、今年の販売方法についてですが、昨年の感謝の気持ちも込めて、何か特別のPRやキャンペーンをするお考えがあるでしょうか。普通の作柄であれば、去年と同じような安い値段ではとても売れないでしょうから、有名になったブランド力を更に高めるために、値段を戻しながら、かつ量をしっかりと売るということが必要だと思います。農林部長のお考えをお聞かせください。 次に、一日保育士体験についてお伺いいたします。 一日保育士体験とは、子供を保育園、幼稚園に預けている保護者が文字通り一日、子供が通う園で保育士になるというものです。参観日のような特別な一時的なものではなく、ふだんの日に親御さんには休みをとってもらい、基本的には一クラスに一人の親が入るという形をとります。 保育士体験の意義は、大きく二つあります。一つは、親にとっての意義です。子供の園での様子が実体験として理解できます。ふだん家で見せないような行動、表情などを見ることができます。また、保育士の仕事や日常を肌身で感じることができます。預けたら預けっ放しということではなく、保育園、幼稚園を通じて親という立場を再認識することができます。そんな大げさなと思われる方、是非一度体験してみてください。私もここ数年、三人娘がおりますので、毎年行っておりますけれども、人生観、価値観が大げさに言えば変わる体験ができると思います。 もう一つの意義は、園にとっての意義です。ふだんから外の親の目が入りますので、適当な保育はできません。保護者と接する中で、提案や要望など、よりよい保育へのヒントを受け取ることができます。 今までも、私は一般質問におきまして保育士体験のことを取り上げておりますが、埼玉県は誠にありがたいことに多くの困難を乗り越え、一〇〇パーセントの保育園、幼稚園で実施するという目標を掲げていただいております。更に踏み込んで、一〇〇パーセントの園で一〇〇パーセントの保護者が実施するということまで目標としていただいております。保育士体験を県が推奨しているということは、県でつくっていただいたコバトンのポスターを見れば、保護者も一目瞭然です。多少、実施に対して意見がある親御さんがいても、ポスターを見せて「県が進めていることですから」と言えば、あっさり応じてくれるんですよという園長さんの言葉も聞いております。そして、この動きは全国に広がりを見せています。 この「家庭支援論」という最近出たばかりの本なんですけれども、これは専門書ですが、保育士の養成課程を持つ短大などで教科書に使われる予定の本です。私のお付き合いのある園長先生が、保育士体験について書いておりますが、この中でも埼玉県の名前がしっかり取り上げられております。 埼玉県以外の動きとして、品川区でも公立の全保育所、幼稚園で実施をしております。また、長野県の茅野市でも今年度から全公立保育園で実施の予定だそうです。また、私の知り合いの園長さんは、高知県に招かれまして、埼玉県の状況を先進地事例としてお話をされてきたそうです。高知県も、県内の全公立保育所において実施を目指しています。正に、全国をリードする動きをしている埼玉の保育士体験です。 さて、一〇〇パーセントの目標に対して現状はいかがでしょうか。また、今後目標を達成していくために、どのような方策をお考えかお聞かせをいただきたいと思います。 また、今後の課題として、待機児童の解消にも大きな役割を果たしている家庭保育室についても、同様に保育士体験の導入を促すべきと考えます。家庭保育室といっても、中には認可保育所並みの定員六十名を超えるというところもございますので、是非目標に組み入れていただきたいと考えておりますが、いかがでしょうか、福祉部長の答弁をお願いいたします。 次に、農業大学校の移転について伺います。 現在は、鶴ヶ島市にある農業大学校ですが、再来年、平成二十五年四月の開校という大変忙しいスケジュールで、熊谷市への移転準備を進めていただいております。 さて、農業大学校は昭和二十年に設立をされてから、着実に実績を積み重ねており、大勢の卒業生を農業の専門家として地域に送り出しております。現在学ばれているのは、高校卒業の十代の方から、定年後の六十代の方まで、およそ百四十名の方です。栽培から加工、販売までカリキュラムに取り入れられておりまして、頼もしい限りです。今回、熊谷に移ってきていただけるということで、地元の農業関係者のみならず、商工業関係の方々も大いに期待をしております。是非、周囲との連携を密にしていただいて、生徒さんにも協力している立場の方にも、お互いにメリットのある関係を築いていただきたいと思います。 先日、予定地近くの熊谷市内江南地区の農家さんとお話をしておりました。たまたま、農業大学校からの研修生を受け入れているという農家さんでした。その研修生は、大学校でコマツナの栽培を担当しているということだったらしいですが、その農家さんは有機栽培の少量多品種、およそ百種類の野菜を栽培しているということで、実習期間にそのお宅で扱った作物は四十を超えたそうです。大学校では、固定した作物しか扱わなかったので、多くの作物を扱えて大変勉強になったというお話をされておりました。作物の種類が多ければ良いということでもありませんが、生徒さんが目指す農業の形態によって、カリキュラムもおのずと変わってくると思われます。熊谷市内にも、意欲と経験のある農家さんもたくさんおいででいらっしゃいますので、是非積極的に知恵や経験を借りていただけるようなカリキュラムを組んでいただきたいと思います。 また、この予定地はすばらしいメリットも持っております。農林総合研究センターと総合教育センター江南支所の両方にまたがる場所ですから、活用し得る施設設備も多いと思います。まず、とってもいいところです。 私の母親は、長く農業高校の教員としてお世話になっておった関係で、総合教育センターには何度かお邪魔をしたことがあります。本当に軽井沢のような風景です。熊谷の軽井沢と言う方もいらっしゃいますが、是非皆さんも足を運んでいただきたいと思います。 具体的には、総合教育センターにはトラクターの練習コースがございます。大型特殊の免許を取ることができます。この施設を共用して、大学校の生徒さんにもトラクターの免許も取ることができると思います。是非、このような横の連絡もうまくとっていただいて、施設設備の有効活用をお願いしたいと思います。 以上のように、いろいろな期待を持って農業大学校をお迎えしたいと考えておりますが、農林部長に移転準備の進捗状況についてお伺いをいたします。 最後に、元荒川最上流部の環境保全についてお伺いをいたします。 この生息地は、県の天然記念物であり、またムサシトミヨは埼玉県の県の魚です。しかし、現状は人工呼吸器をつけて、ようやく生存しているといったような状況です。元の農林総合研究センター、水産研究所熊谷試験地の井戸からポンプでくみ上げています水を流しておりまして、何とか生きながらえておりますが、このポンプをとめれば即絶滅という状況です。 そんな中ではありますが、昨年度の調査では固体数が一・四四倍になったといううれしいニュースもありました。以前から、生息域を保全するために、熊谷市も取組を進めてきました。家庭からの雑排水が、その最上流部に流れ込まないように、う回の水路を掘りまして下流に流しております。最終的な目標としては、家庭からの雑排水を流さないようにしなければならないのですが、市の下水道計画によりますと流域の都市計画区域に下水道が引かれるのは平成三十三年度以降になるということです。さらに、もともと下水道の敷設が予定されていない地区も広がっております。 ムサシトミヨ生息地域周辺には、単独処理浄化槽のお宅がおよそ九百世帯ありまして、この世帯の方に合併処理浄化槽を入れていただくというのが当面の課題となります。既に、熊谷市ではこの地区に対して、合併処理浄化槽設置への手厚い補助を用意していただいておりまして、更に県から上乗せの補助も加わります。標準的な工事で九十三万七千円、この設置にかかるところ、国、県、市の補助をもろもろ入れると二十一万三千円で設置することができます。およそ八割近くも下げることができます。また、今まで補助が出なかった配管費にも二十万円という補助をつけていただいております。これは大きな前進です。 以上のことを踏まえますと、生息地の保全については具体的な進展が予想されております。今年度、この地域において単独処理浄化槽などから合併処理浄化槽に転換する場合の補助予定は四十基と伺っておりますが、今後更に合併処理浄化槽への転換基数を増やすために、県としてどのような対応を考えていらっしゃるでしょうか、環境部長にお伺いをいたします。 また、合併処理浄化槽の設置以外に、ムサシトミヨ生息地域の環境を保全するための取組についてもお考えがありましたら、お聞かせをいただきたいと思います。 以上で私の一般質問、終わらせていただきます。どうも最後まで御清聴ありがとうございました。(拍手起こる) ○鈴木聖二議長 三十四番 森田俊和議員の質問に対する答弁を求めます。       〔上田清司知事登壇〕 ◎上田清司知事 森田俊和議員の御質問に順次お答えをいたします。 まず、地方から政治を活性化しなければとのお尋ねでございます。 いわゆる平成の大合併で、埼玉県も市町村数が九十二から六十四になりました。ある程度の行財政基盤が強化されたものだと思っております。 その一方で、自治機能の強化のために、今後は住民自治の方に力を入れてやっていくべきではないかという御指摘は、正しくそのとおりだと思います。県内には、大政令市のさいたま市から東秩父村まで、大小様々な自治体があります。その規模に応じて、ふさわしい、その自治機能を強化するやり方があるのではないかと思います。一般に、人口の多いところほど、そういう意味での自治機能が弱くなるといった嫌いがあるというふうに言われております。それゆえ、積極的に大きなところでは、住民参加の仕組みをつくっていかざるを得ない状況があるのだと思っています。 例えば、環境問題や子育てなど、特定分野に精通した方々をいろいろな形で、行政のあらゆる分野の中に参加していただく。また、市町村区内の区域ごとに、自治区みたいなものをつくったりしながら、いろいろな形での参加機能を高めていく、そういうやり方もあるかと思います。 一方、小規模自治体は、相変わらず行財政基盤が弱いので、場合によっては合併であるとか、広域行政の形の中で処理をうまくやっていくとか、そういう方法があるのかなというふうに思っております。 いずれにしても、なかなか日本の地方自治法というのは、金太郎あめみたいな形で、いろいろな縛りがあって、独特の形をつくらないようになっております。私は、地域主権戦略会議の、いわば予備会議を提唱し、その中で当時、原口総務大臣といろいろな議論をさせていただきました。原口総務大臣も、例えば政令市だとか、都道府県は議員内閣制みたいなものを選択してもいいのではないかとか、それから三千人以下の町とか村は、場合によっては首長だけ選んで議員は選ばないで全員集会と区長会議でカバーができて、外部監査がしっかりされれば、それで賄うことが可能ではないかと、自治機能は十分できるのではないかとか、こんな議論も当時、原口総務大臣が熱く語っておられたことを記憶しております。 アメリカも、大きな州のイメージだけが強いんですが、どうしてもニューヨーク州であるとか、あるいはカリフォルニア州だとかってあるんですが、一千万人以上の州が七つ、百万人以下の州が八つ、一番小さいところは四十九万人ぐらいでしょうか。それでも、ちゃんと州としての機能を持たせ、産業から、それから治安、警察までですね、責任を持たせておるわけですから、正しくいろいろな選択肢の中で競争をさせるようなことが、私は地方自治体を強くさせていくことではないかということでありますので、地方自治法改正のことを視野に入れた議論が、もっともっと国会の中でなされていけばありがたいなと。また、そういう部分に私自身も何らかの形で声を出していきたいと思っています。 次に、防災対策、省エネ対策としての植樹についてのお尋ねのうち、山間部を中心とした防災上の取組についてでございます。 森林は県土の三分の一、十二万ヘクタールを占めております。その半分が天然林、残り半分がスギやヒノキの人工林という仕分けになっています。戦後植林されたスギやヒノキの人工林の一部では、木材価格の低迷のためにダム上流などで手入れが行き届かずに荒れているものが見られています。また、森林所有者に何とかしろというのも、なかなか困難な状況でございました。 そこで、彩の国みどりの基金を活用して、ダム上流の水源地域にある人工林においては、抜き切る本数の多い強度間伐というやり方をやっています。そこであいたスペースに、ミズナラやカエデなどを植栽し、針葉樹と広葉樹が混じり合った針広混交林へ誘導している。こうすることで、より防災上強い森林になるという状況になります。平成二十年度から三年間で約一千五百ヘクタールを整備し、今年度も約五百ヘクタールを実施する予定でもございます。気候などの生育条件に適した様々な木を植えて、地中に深く広く根を張らせることで、簡単に崩れない森林をつくっていくということは、極めて大事なことだというふうな森田議員の御指摘のとおりでございますので、そのように今図っているところでもございます。 次に、省エネ対策としての植樹でございます。 御指摘のように、今回の東日本大震災で省エネルギーの観点からも、樹木による効果が改めて注目されております。県民の皆様には、省エネ、防災など、樹木の持つ機能を改めて御理解いただき、植樹意識を高めることは、大変重要だと思います。 本県では、三千平方メートル以上の敷地で建築を行う際には、一定の面積を緑化する緑化計画届出制度をつくっております。その仕組みもありまして、既に約百三十五万本の植樹がされております。来年度からは、敷地面積を一千平方メートル以上も対象にしておりますことから、都市の植樹も更に増えていくと思われます。また、県職員も各地区のイベントに出向いて、植樹活動などを行う「みどりづくり協力隊」は、昨年度百三十二のイベントに参加いたしました。こうした事業やイベントの実施、あるいはホームページへの掲載などで、あらゆる機会を通じて樹木の省エネ、防災機能を県民の皆様に訴えてまいりました。 昨年度は、住宅メーカーや工務店に働き掛けて、家を建てる方に植樹の大切さをPRしております。その結果、植樹した本数を県庁に報告していただく植樹エントリー制度で、昨年九月から現時点までに約二万八千本の登録がございました。さらに、今回は住宅メーカー、建築関係者の方々はもとより、造園関係の方々にも家を建てる方に樹木の省エネ機能などを紹介させていただき、木を植えることを積極的に進めていただくように働きを掛けていきたいと考えております。今後とも、このような取組を積極的に努めて、一人一本植樹運動のムーブメントを更に加速してまいります。       〔高橋和彦環境部長登壇〕
    ◎高橋和彦環境部長 御質問三、エネルギーの使途に見合った自然エネルギーの利活用についてお答え申し上げます。 議員お話しのとおり、太陽エネルギーを活用する場合、太陽光より太陽熱のほうがエネルギー利用効率が高くなっております。しかし、県内での昨年度の太陽熱利用システム導入実績は約九百八十件で、そのほとんどが以前設置したものが老朽化したための交換です。新たな導入が進まない主な理由としては、設置コストを電気代やガス代の節約で回収するには二十年以上かかるためと考えられます。 一方、家庭で使用されるエネルギー割合を見ますと、給湯に使用される割合は一戸建ての住宅で三〇パーセントですが、集合住宅では四五パーセントに上ります。また、集合住宅では共同で太陽熱利用システムを設置することにより、スケールメリットも生まれます。このため、まずは集合住宅での太陽熱利用の普及拡大を進めるべきと考えております。 九都県市でも、集合住宅での太陽熱利用が有効であると考え、啓発リーフレットを作成いたしました。今後、この啓発リーフレットを活用して、太陽熱利用のメリットについてマンションの管理組合やアパートのオーナーなどに働き掛けてまいります。 また今年度、ハウスメーカーや市町村、ガス会社などを構成員とする埼玉県ソーラー拡大協議会において、集合住宅で利用しやすい製品や普及策について検討を行う予定です。この協議会での議論も踏まえ、集合住宅を中心とした太陽熱利用の普及拡大に努めてまいります。 次に、御質問八、元荒川最上流部の環境保全についてお答えを申し上げます。 ムサシトミヨの推定生息数は、本年二月の調査では二万二千六百五十五匹であり、五年前の調査と比べて約七千匹増加いたしました。生息地域をより良いものとするためには、合併処理浄化槽の普及を進め、水質を改善する必要があります。このため、県ではムサシトミヨを保護する地域において、集中的に合併処理浄化槽への転換に取り組むこととしました。そこで、転換を進めるに当たり、これまで課題となっていた個人負担を大幅に軽減するため、平成二十三年度から手厚い補助制度を設けました。この結果、熊谷市によると住民からの転換希望が当初の予定四十基を大幅に上回るとのことです。こうした状況を踏まえ、今後、補助の実務を行う市と十分協議して、転換促進に向け積極的に対応してまいります。 また、合併処理浄化槽設置以外のムサシトミヨ生息地域の環境保全の取組でございます。 開発による水質悪化を防ぐため、生息地域に面した雑木林約四千六百平方メートルを「まちのエコ・オアシス保全推進事業」で取得し、平成二十二年度整備いたしました。今後は、ムサシトミヨの保護活動を行っている小中学校と連携して、繁殖に適した水草を増やすなど、水辺環境の整備を進めてまいります。また、地域の保護団体の協力を得て、清掃活動、保護の普及啓発、パトロールなどを更に充実させ、ムサシトミヨ生息地域の環境保全に努めてまいります。       〔海北晃農林部長登壇〕 ◎海北晃農林部長 御質問四、農産物、畜産物に対する放射能対策についてお答えを申し上げます。 福島第一原子力発電所事故による損害賠償の範囲につきましては、政府の原子力損害賠償紛争審査会から、これまで第一次指針、第二次指針として順次示されています。この中で、本県農業に関係あるものとしては、えさとしての給与自粛要請を行った牧草について、損害賠償の対象とすることが明確になっています。また、風評被害につきましては、原発事故と相当因果関係にあるものを賠償の対象とすることとされていますが、どこまでの範囲が対象となるのか、またどのように立証するのかなどにつきましては、七月中にまとめられる中間指針で示される予定となっています。 農家が東京電力に損害賠償をする際には、損害を証明できる書類が必要となるため、農業団体と連携して、その周知を図りますとともに、情報提供や相談を受けるなど、スムーズに損害賠償請求ができるよう努めてまいります。 次に、御質問五、「彩のかがやき」その後についてお答えを申し上げます。 まず、栽培方法の研究についてですが、農林総合研究センターでは昨年の高温条件下にあっても、少数ではありますが、品質の高い収穫を実現させた農家もありましたので、その農家の栽培方法を調査、分析しました。また、人工気象室を利用して猛暑を再現し、高温障害を回避するための栽培技術について研究を行っています。これまでのところ、高温になったときには根を元気に保つことが大切であることが分かってきました。そのためには、水温の上昇を防ぐため、水を深めに入れたり、夜に冷たい水を足したり、窒素分を補給したりすることなどが有効であると考えられます。 そこで、七月と八月を高温障害を回避するための強化月間として、各地であぜ道講習会などを繰り返し実施し、これまで以上にきめ細かい指導を行います。この秋には、何としても品質の良い、いわゆる一等米の収穫に結び付けたいと考えています。 次に、特別なキャンペーンについてです。 生産者をはじめ米の関係者は、昨年の規格外米を応援していただいた多くの県民の方々に感謝の気持ちを持っています。このため、関係者と連携して農林まつりなどのイベントや農産物直売所や量販店で、感謝の気持ちを伝えるキャンペーンを実施したいと考えています。 また、販売につきましては、昨年は規格外米ということで従来よりも三割から四割安い価格でした。今年は、本来の価格に戻した上で昨年同様、全量販売を目指して取り組んでまいります。 次に、御質問七、農業大学校の移転についてでございます。 移転準備の進捗状況ですが、現在進めている用地確保につきましては、八五パーセントの同意を得ています。今後、熊谷市との開発協議や河川協議などの法手続を経た後、年内には土木造成工事に着手できるよう進めてまいります。 また、移転後は新設予定の加工施設では、地元の農産加工グループと交流したり、直売施設では地域の方々に学生のつくった農産物を提供するなど、開かれた農業大学校を目指してまいります。 お話のあった隣接する農林総合研究センターや総合教育センター江南支所との連携も深め、研究員による直接指導なども取り入れていきます。さらに、近隣の農業者、農業団体、商工業関係者、大学などと連携した実習や有機農業など、カリキュラムの充実を図ります。そのため、七月に有識者や地元関係者による検討会を立ち上げ、構想を具体化していきます。こうしたハード、ソフト両面の準備を進め、平成二十五年四月の開校を目指します。       〔荒井幸弘福祉部長登壇〕 ◎荒井幸弘福祉部長 御質問六、一日保育士体験についてお答えを申し上げます。 まず、現状についてでございます。 県では、親の養育力向上を図るため、全ての保育所、幼稚園に対して一日保育士体験など、保護者の保育参加事業に取り組むよう働き掛けてまいりました。平成二十二年度までに、保育所は九百六十一か所のうち六百十五か所、幼稚園は六百十二か所のうち二百八十か所で事業を実施いたしております。今年度は、新たに保育所で三百二か所、幼稚園が二百五十九か所で保育参加事業の実施を予定いたしております。これにより、保育所の九五パーセント、幼稚園の八八パーセントが実施をいたすことになります。 次に、保護者の参加状況でございます。 平成二十一年度は、既に一日保育士体験を実施した経験のある施設が多かったため、参加率は七〇パーセントでございました。平成二十二年度は、全てが新たに事業を開始した施設でありますため、参加率は保育所で六八パーセント、幼稚園で四一パーセントでございました。 次に、目標を達成するための方策についてでございます。 実施予定のない施設につきましては、毎年開催しております研修会で繰り返し実施を要請したり、職員が個別に訪問をするなど、引き続き粘り強く事業の実施について働き掛けてまいります。 また、今年度は先進的な取組を行っている保育所などとの情報交換の場を新たに設け、本事業を促進してまいります。さらに、若いお父さんたちにも関心を持っていただきますよう、浦和レッズの選手などにも保育士体験をしていただくように考えております。 今後とも、全ての保育所、幼稚園が一日保育士体験などの保育参加事業を実施し、全ての保護者に参加していただけるよう積極的に取り組んでまいります。 次に、家庭保育室への保育士体験の導入についてでございます。 家庭保育室は、保育士の資格を持つものが一人しかいない小規模なものもあり、保育参加事業の実施に課題があるところもあります。 そこで、一定規模以上の施設につきましては、保育参加事業の実施も可能と思われますので、県といたしましては認可保育所と同様に事業の意義などを説明し、実施を働き掛けてまいります。          ---------------- △休憩の宣告 ○鈴木聖二議長 暫時、休憩いたします。午前十時五十七分休憩          ----------------午後一時二分再開 出席議員    九十一名     一番    二番    三番    四番     五番    六番    七番    八番     九番    十番   十一番   十二番    十三番   十四番   十五番   十六番    十七番   十八番   十九番   二十番   二十一番  二十二番  二十三番  二十四番   二十五番  二十六番  二十七番  二十八番   二十九番   三十番  三十一番  三十二番   三十三番  三十四番  三十五番  三十六番   三十七番  三十八番  三十九番   四十番   四十一番  四十二番  四十三番  四十四番   四十五番  四十六番  四十七番  四十八番   四十九番   五十番  五十一番  五十二番   五十三番  五十四番  五十五番  五十六番   五十七番  五十八番  五十九番   六十番   六十一番  六十二番  六十三番  六十四番   六十六番  六十七番  六十九番   七十番   七十一番  七十二番  七十三番  七十四番   七十五番  七十六番  七十七番  七十八番   七十九番   八十番  八十一番  八十二番   八十三番  八十四番  八十五番  八十六番   八十七番  八十八番  八十九番   九十番   九十一番  九十二番  九十三番 欠席議員    三名   六十五番  六十八番  九十四番 地方自治法第百二十一条の規定により説明のため出席した人   知事       副知事(塩川)  副知事(広畑)   企画財政部長   総務部長     県民生活部長   危機管理防災部長 環境部長     福祉部長   保健医療部長   産業労働部長   農林部長   県土整備部長   都市整備部長   会計管理者   公営企業管理者  病院事業管理者  下水道事業管理者   教育長      警察本部長 △再開の宣告 ○荒川岩雄副議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続き) ○荒川岩雄副議長 質疑質問を続行いたします。 五十一番 松沢邦翁議員       〔五十一番 松沢邦翁議員登壇〕(拍手起こる) ◆五十一番(松沢邦翁議員) 越谷市選出の自民党県議団、五十一番、松沢邦翁でございます。 本日、最終日でラス前、非常にお疲れかと思いますが、しばしの間、お付き合いのほどをお願いをいたしたいと思います。 議長のお許しをいただきましたので、既に通告してあるように順次質問をさせていただきたいと思います。 まず最初に、越谷市の中核市移行についてのお伺いをいたしたいと思います。 国においては、中央集権型行政システムの制度疲労や東京への一極集中、また個性豊かな地域社会の形成や少子高齢社会等の課題に対応するため、地方自治体が中心となる分権型社会の行政システムへの転換について検討を始めておりました。 昨年六月、住民に身近な行政は地方自治体が自主的かつ総合的に広く担うとともに、地域住民が自らの判断と責任において、地域の諸課題に取り組むための地域主権改革の意義や理念等を踏まえ、総合的かつ計画的に推進するための法制上必要な措置や改革の取組方針等を明らかにした地域主権戦略大綱が閣議決定されました。そして、地域主権改革の新たな一歩として、国と地方の協議の場の創設や国が地方自治体の仕事を縛っている義務付け、枠付けの緩和などを盛り込んだ地域主権改革三法が本年四月に成立しました。 また、本県においては、住民に最も身近な行政主体である市町村に事務事業を優先的に配分し、市町村が地域における行政の自主的かつ総合的な実施の役割を担うことが必要不可欠であると考え、平成十一年三月に埼玉県地方分権推進計画を策定して以来、平成十六年十二月策定の埼玉県権限移譲方針、平成十九年十月策定の第二次埼玉県権限移譲方針により、一貫して市町村への権限移譲を推進してきたところであります。 昨年十二月に策定した第三次埼玉県権限移譲方針では、自ら住む地域のことは自らの責任で決定できる地域社会を実現するため、市町村が地域における総合行政体の役割を担えるよう、権限移譲の一層の推進を図るという基本的な考えの下、今後三年間で百八十四事務を対象として移譲を推進していくということであります。 このような状況の中、私の地元である越谷市の高橋市長は、昨年十一月の記者会見において平成二十七年四月の中核市移行を目指すことを表明しました。人口三十二万八千人を要する越谷市が名実とも県南東部地域の中核を担う都市として事務権限を強化し、できる限り越谷市民の身近なところで行政を行っていくことは、最も基本的なことと考えています。 越谷市では、これまでも地方分権を推進する観点から、平成十二年度に彩の国中核都市の指定、平成十五年四月には特例市に移行し、積極的に権限移譲を受けてきました。また、平成二十一年九月に市政運営最高規範となる越谷市自治基本条例を施行し、この条例に基づき今年度を初年度とする第四次越谷市総合振興計画を策定し、「水と緑と太陽に恵まれた 人と地域が支える安全・安心・快適都市」を将来像として、まちづくりが進められております。県内二市目となる中核市移行につきましては、この第四次越谷市総合振興計画の前期基本計画に位置付けられており、移行準備のために本年四月に庁内組織改正が行われ、新たな担当部署が設置されました。本年六月三日には、高橋市長とともに私を含む越谷市選出の県議会議員も同席をさせていただき、上田知事に中核市指定に向けた協力を要請いたしました。今後は、本県からの事務権限移譲について協議を重ね、最終的には越谷市議会の議決と県議会の議決を経て、総務大臣へ指定の申請を行うこととなります。 今後、埼玉県としては越谷市の中核市移行に対して、どのような支援を行っていくのか知事に御所見をお伺いいたしたいと思います。 次に、県の防災対策についてお伺いをいたします。 去る三月十一日に発生した東日本大震災は、マグニチュード九・〇と、私どもが経験したことのない大地震でありました。私も、地震発生時、自分の事務所にて作業をしておりましたが、今まで感じたことのない大きな揺れに驚き、一旦事務所の外に待避をいたしました。母屋が倒壊しないかと心配するほどでありました。 この地震では、六月二十八日現在で死者一万五千五百五人、行方不明者七千三百五人という阪神・淡路大震災を大きく上回るほどの大惨事になってしまいました。亡くなられた方々につきましては、改めてこの場にてお悔やみを申し上げます。 被害はそれにとどまらず、津波により東京電力福島第一原子力発電所も被害を受け、想定外のトラブル発生に見舞われました。その結果、漏れた放射性物質の影響により、二十キロ圏内の住民は強制的に移転を余儀なくされたのであります。そして、埼玉県内にも町ごと移転を決めた福島県双葉町をはじめ、多くの被災者を受け入れることとなりました。地震発生から三か月たった六月二十八日時点でも、二千七百五十三人もの方が避難生活をしておられるのが現状であります。住み慣れた場所から離れて生活をしなくてはならない方々の寂しさ、悔しさは計り知れないものと存じます。 埼玉県において、こうした国難とも言うべき大災害が発生した場合を想定いたしますと、危急の事態に備える必要があるのは明白であります。特に、首都圏直下型地震発生も予測されておりますので、県の災害対策について四点ほどお伺いをいたします。 第一点目は、災害時の他県との相互支援協定についてです。 自治体間の相互応援については、全国地方知事会で全国都道府県における災害時等の広域応援に関する協定、北海道・東北地方で締結されている大規模災害時における北海道・東北八県相互応援に関する協定があるようです。そのほかにおいては、消防関係やヘリコプターの運行等に関する協定と全国組織の各業種別協定がほとんどであります。 一方、各市町村は独自に他県の市町村と協定を結んでいるようでございます。私は、県が市町村や各業界に任せるのではなく、県と県において包括的な相互支援協定を結んでおくほうが良いと考えております。被災の状況により、被災側のニーズも変わっていきますので、相互支援協定を結ぶことにより、きめ細かい支援体制がとれるのではないかと考えますが、知事の御所見をお伺いをいたしたいと思います。 第二点目は、災害時の緊急輸送道路対策についてでございます。 阪神・淡路大震災や今回の東日本大震災時に、被災者の生命や生活を守るために最も必要とされるものは緊急輸送道路であります。緊急輸送道路は、救急活動、被災地への救援物資運搬等に欠かせない道路となり、大きな役割を担います。こうした大切な道路に接している建築物が倒壊したり、橋が落ちてしまい、緊急車両の通行を妨げないようにすることが何よりも重要だと考えております。 埼玉県においては、阪神・淡路大震災後、そうした対策を順次進めていると伺っておりますが、昨今、今回のような震災を身近に感じざるを得ない状況でございますので、災害時には緊急輸送道路がその機能を十分発揮させることが大事であると存じます。 そこで、知事の御所見をお伺いをいたしたいと思います。 第三点目は、丘陵部の宅地造成における問題についてであります。 報道によれば、宮城県仙台市や山元町では、丘陵部の住宅で全壊、半壊などの大きな被害が出ております。丘陵部の宅地造成は、一般に山の部分の土を削り取る切り土で生じた土で谷を埋める盛土になって行われるようであります。今般の災害で被害が大きかったのは、この盛土の部分でありました。地盤力学が専門である飛田義雄東北学院大学教授によりますと、盛土においては元は谷であった部分に水がたまりやすく、地震の揺れに見舞われると地滑りが起こりやすいとのことです。同様の被害は、東日本大震災だけでなく、阪神・淡路大震災、新潟県中越地震でも繰り返されているとのことであります。 埼玉県に置き換えますと、現在約七百二十万人を抱えており、今日まで人口が急増してきたわけでありますから、こうした盛土部分の住宅が多数あるものと推測をいたしております。県としては、災害時の被害を防止するための対策をどのようにお考えなのか、都市整備部長にお伺いをいたしたいと思います。 第四点目は、災害時の瓦礫の仮置き場確保についてであります。 今般の災害では、津波による被害が余りにも大きく、何もかも押し流してしまいました。その惨状は、映像で見る太平洋戦争での東京大空襲による焼け野原を思い出させるものでありました。今でも、その状況を思うに暗たんたる気持ちになります。災害においては、倒壊した住宅を片づけ、一時的にストックするがれきの置き場が必ず必要になってまいります。焼却処分するにしても、リサイクルするにしても、そのスペースがなければ何事も始まりません。実は、東日本大震災後、知人からも同様の御意見を頂戴いたしました。万が一に備え、県は地権者と事前契約を締結しておき、こうしたがれきの仮置き場をあらかじめ確保しておくべきではないかと考えますが、環境部長に御所見をお伺いをいたします。 次に、農産物の放射能汚染と風評被害への対応についてお伺いをします。 東京電力の福島第一原子力発電所の事故については、収束、解決の見通しが立たない中で、事故現場周辺の住民はもとより、我々、埼玉県民の生活に関しても様々な方面で影響を与えております。特に、放射性セシウムなどが飛散し、農産物や水道水が汚染され、飲食物を通して人の健康に悪影響を及ぼすのではないかという不安が、大勢の県民に持たれている状況であります。このような状況は、消費者に不安を抱かせるだけでなく、生産者側に対しても大きな打撃を与えております。出荷停止措置を受けた地域の農産物は、消費者から敬遠される傾向にあり、その安全性に関する信頼を取り戻すためには、生産者個人の努力では限界があり、国や県など行政機関はもとより、農業協同組合や農業団体、企業、消費者団体、さらにはマスメディア等の強力な支援が必要となります。 埼玉県の農産物については、一部牧草で暫定規制値を超える放射性物質が検出されたものの、幸いにも他の農産物については検出されていないと伺っております。しかし、近隣の県で出荷停止措置が実施されることによる風評被害がなかったとは言い難い状況にあると思っております。実際、私のところには生産者から関東産というだけのくくりで市場価格の下落があったとか、今後のモニタリングの結果に対する不安があるなどの声が数多く寄せられております。 思い起こせば、昨年は猛暑による水稲被害が発生し、農業生産者が受けた打撃は相当なものであります。農業を取り巻く環境は、担い手不足、遊休農地の増加、農業資材の高騰と収入の減少等々、大変厳しいことは申し上げるまでもございません。このような状況の中で、今回の放射性物質に関わる問題が発生したことは、正に追い打ちをかける状況にあると考えられます。風評被害の程度を測ることは、その放射性物質の飛散状況や消費者動向との因果関係から、大変難しいことは理解をいたしておりますが、県として今回の福島第一原子力発電所の事故による本県農産物への影響、農業経営への影響をどう認識し、対応を考えているのか、農林部長にお伺いをいたしたいと思います。 また、モニタリングの結果については、県政ニュースなどで公表していることは承知しておりますが、せっかく放射性物質が検出されていない、あるいは暫定基準値を下回っている結果が出ているのですから、埼玉県産の農産物が安全であることをもっと積極的にPRをしても良いのではないかと思っておりますが、この点に関する見解と具体的な行動計画があれば、併せてお願いをいたしたいと思います。 次に、水辺再生事業の継続あるいは事業発展についてお伺いをいたします。 上田知事の肝いりでスタートした水辺再生一〇〇プラン事業は、今年度が事業の最終年度であると伺っております。私も、埼玉県の水郷・越谷の地に生まれ、田園風景豊かな地域で育ちました。自宅近くを流れる綾瀬川で魚釣りや水浴びをしたことを今でも思い出します。その後、高度成長期を経て、田んぼは住宅地や工場に変わり、河川は汚れ、以前の子供の遊び場には人が寄りつかないようになってしまいました。 平成十九年に、上田知事が水辺再生一〇〇プラン事業を打ち出したときに、埼玉県の川の面積割合が日本一という地勢的特長に着眼して、潤いとゆとりの空間を創造し、県民意識の向上と協働意識の高揚、さらには地域経済の活性化に資する本事業は、創造性豊かで県民の心をつかむ大変有意義な事業であると大いに共鳴したところであります。 事業の進捗については、平成二十年度にモデル箇所五か所を含む二十六か所で事業に着手し、平成二十一、二十二年度においては県民からの御提案をいただきながら事業箇所を選定し、計画どおり一〇〇か所の水辺再生事業の事業に至っていると伺っております。おかげさまで、私の地元、越谷市においても、元荒川や東京葛西用水など八か所の事業採択をいただき、事業地周辺はもとより、大勢の県民、市民に喜ばれております。 しかし、今回の水辺再生一〇〇プラン事業は、県民から御提案を受けての事業とはいえ、県が親水性に富む水辺環境を創出したり、改善したりするハード事業をきっかけに、地域住民のコミュニティ形成や水辺環境の維持、保全活動を図るもので、地域住民の行動、活動が伴うことで、初めて事業の成果に結び付くものであると考えております。 建物、施設などの構造物は、設計、建設費用等を確保することによりできるものですが、人の心や意識を変化させることは大変時間がかかるもので、一朝一夕にはいきません。お金のかかるハード事業は県が実施しました。あとは、地域の皆様よろしくお願いしますということでは、正に仏造って魂入れずということになりかねません。また、県民提案で不採択となった事業提案の中にも、見直しや創意工夫を行うことにより、事業化に向けた取組を検討するものもあると思います。一〇〇プランという数字が目標値からの制限値になっていたということはないでしょうか。 このように考えると、川の再生のリーディング事業としての大きな成果が現われているこの時期に、市町村の地域コミュニティ所管やまちづくり所管と連携して、事業の継続や関連する新規事業を検討する必要があると思われますが、県土整備部長の御所見をお伺いいたしたいと思います。 次に、地元問題についてお伺いをいたします。 まず、新方川の整備計画の進捗状況についてであります。 県東部地域は、低湿地帯という地勢に加え、急激な都市化などの社会的要因から、たびたび浸水被害が発生しております。また、平成二十年八月の集中豪雨や平成二十一年十月の台風十八号に伴う豪雨など、地球規模的な気象の変化により、予測困難な集中豪雨による浸水被害も発生しております。このような状況の中、新方川は河川激甚被害対策特別緊急事業の採択を受け、下流の中川合流点から四号バイパスまでの整備が行われ、浸水被害の軽減が大きく図られてきました。川幅が狭く、都市化が進んでいるため、急激に水位が上昇する特徴があり、水防活動も追い付かない状況も発生しております。今後において、先のような集中豪雨が頻発することが想定されておりますし、更なる対策が必要と感じております。 河川の在り方については、有識者会議の提言を踏まえて、河川整備計画の見直しを進めているものと伺っておりますが、今後も治水対策の柱として河川改修工事は積極的に進めていく必要があると考えております。特に、新方川の整備においては、長年の課題であった戸井橋の架換え及び改修が進められておりますが、その上流区間はいまだに未改修であります。 そこで、戸井橋の架換えを含めて、その上流部の東武伊勢崎線の陸橋の架換えも併せて、改修計画の進捗状況についてお伺いをいたします。 次に、新方川最下流部に位置する排水機場につきましては、中川の堤防の整備が進み、水門が設置された際、新方川の洪水を中川に排水するポンプ場として必要になるものと伺っております。今日までも、中川の下流域においては、何回となく水害に見舞われてきました。その中で、外環に合わせてつくられた綾瀬川放水路の効果は大であります。このような中川流域の低地においては、内水排除をするポンプ場が最も有効であると確信をいたしております。現在、国の施行する中川の改修工事が進んでいることから、新方川最下流に位置する排水機場の整備予定について県土整備部長にお伺いをいたします。 次に、越谷市内の都市計画道路の進捗状況についてお伺いをいたします。 御案内のとおり、都市計画道路は全線開通することやネットワーク化されることにより、円滑な交通の確保はもとより、豊かな公共空間を備えた良好な市街地の形成が図られるとともに、安全で快適な都市生活及び機能的な都市活動を支える重要な基盤であります。 そこで、越谷市において埼玉県施工で取り組んでいる各都市計画道路の進捗状況について、順に県土整備部長にお伺いをいたします。 最初に、浦和野田線でございます。増林工区といたしまして、葛西用水に架かる新大吉橋から県道平方東京線と交差する区間において、鋭意用地取得を進めていると伺っておりますが、まだまだ時間を要すると思われます。 そこで、逆川に架かる新大吉橋を架け換える計画であると伺っておりますが、接近する県道越谷野田線と暫定的にも接続させるべきであると考えますが、現在の進捗状況と今後の見通しについてお聞かせをいただきたいと思います。 また、当該道路の元荒川工区といたしまして、現計画も含め六ルート案が示されましたが、最適案の絞り込みを含め、その後の取組状況について、また今後の進め方についてお考えをお伺いいたします。 次に、南浦和越谷線でありますが、当該路線は浦和野田線と同様、越谷市内を東西に連絡する広域的な幹線道路として重要な路線と考えております。重複する県道蒲生岩槻線は、交通量も多い路線で歩道もなく、決して良い形状でないことから、地域住民からも歩道の設置要望の声が上がっております。利用者が安全・安心に通行できるよう、当該路線を延伸することについてのお考えをお聞かせいただきたいと存じます。 次に、八潮越谷線でございますが、未開通部分が一か所あることでう回や渋滞による社会的損失はかなりあると察します。交渉は行っていることと存じますが、どのようなことが課題になっているのか、今後の見通しも含めてお伺いをいたします。 最後に、越谷吉川線でございます。吉川橋の架換えについては、一昨日の一般質問で工法を工夫し、工事期間の短縮を考えているとの答弁をいただきました。これは切実な問題でありますので、私からも質問をいたします。 昨年、私は当該路線について地元説明会が開催されましたので、同席をさせていただきました。その中で、当該路線に架かる吉川橋の架換えについて、歩行者や自転車だけでなく、車が通行できる仮橋をお願いする意見が非常に多くありました。この路線は、今までにも状況を説明しておりますが、沿線にはイオンレイクタウンがあり、今年四月にはアウトレットができ、現在ある吉川橋及び吉越橋を含め、周辺道路の渋滞が激しく、日常生活に支障があることから、切実な願いであると実感しております。用地確保などの課題は認識しておりますが、工法を凝らすことで車が通行できる仮橋を設置する考えはどうなのか、まずお伺いをいたしたいと思います。 次に、越谷レイクタウン地区全体の防犯対策についてお伺いをいたします。 近年、県内における刑法犯認知件数は減少傾向にありますが、依然として犯罪が多発している状況にあります。このような中、防犯対策は県民の安全・安心を守る非常に重要な施策であることから、より一層の充実が求められており、特に交番の犯罪に対する抑止効果は大変なものと考えております。 さて、私の地元である越谷市においては、本年三月には大袋駅前交番、さらには越谷駅前交番の移転改築がなされ、地元住民の安全・安心に寄与するものと感謝を申し上げます。 しかしながら、駅前交番の整備といたしましては、唯一、越谷レイクタウン駅が残されたままであり、その整備が待たれるところであります。越谷レイクタウン地区では、マンションや戸建て建設が進んでおり、現在約三千人が居住しております。今後も、定住人口の増加が予測されております。 また、国内最大規模の商業施設であるイオンレイクタウンは、平成二十二年の年間来場者数は約四千万人、車での来場も年間六百五十万台を超えるなど、大きなにぎわいを見せております。本年四月にはアウトレットモールが開業し、ゴールデンウィークの期間だけでも百五万人の来店者があったと聞いております。今後も、更なる来客数や交通の増加が予測されております。越谷レイクタウン地区及び周辺地域につきましては、流入人口の増加や交通環境の変化により、地域全体の治安向上を図るため、地元住民からも越谷レイクタウン駅前交番の強い設置要望があります。 私も、前回の一般質問で警察本部長にただしましたが、レイクタウン地区の人口が一万人になったらとの答弁をいただいております。しかし、越谷レイクタウン地区全体の防犯上の観点からも、早期に交番を設置することが必要と考えますが、交番設置の見通しを含めた地区全体の防犯対策について県警本部長にお伺いをいたしたいと思います。 以上で私の一般質問を終了とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手起こる) ○荒川岩雄副議長 五十一番 松沢邦翁議員の質問に対する答弁を求めます。       〔上田清司知事登壇〕 ◎上田清司知事 松沢邦翁議員の質問に順次お答えをいたします。 まず、越谷市の中核市移行についてのお尋ねでございます。 私は、住民に身近な行政は、より住民に身近な市町村が担う、その方がガバナンスは大きく働くものだという認識に立っています。そういう意味で、要件を満たしている市には、積極的に中核市を目指していいのではないかと思います。中核市に移行すると、保健所が設置され、住民は身近なところで総合的な保健サービスを受けることができます。 具体的には、健康診断や予防接種などの基本的な保健サービスや、感染症や食中毒への対応など、専門的な保健サービスなどでございます。飲食店の営業許可や理容所、美容所、クリーニング店の開設の届出も、わざわざ県ではなく、市の保健所で手続ができます。基本的に、便利なことが多くなると思います。そのほか、身体障害者手帳の交付など、福祉分野や廃棄物処理施設の設置許可など、環境分野の権限なども移譲されます。また、中核市のような核になる市があれば、近隣の市町村とのいわば協力体制の中での核というんでしょうか、そういう部分もある意味では構築されやすくなるのか、このように思っております。 県には、平成十五年度に川越市が中核市に移行した際のノウハウがありますので、このノウハウを生かして保健所の設置など、新たな組織の整備について支援をしていきたいと思います。また、新たに移譲される事務を越谷市が適切に実施できますよう、事務の説明や実務研修生の受け入れ、県職員の派遣なども当然視野に入っております。越谷市において、指定の準備が整いましたら、県議会の議決を経て同意を行うなど、中核市の指定に向けた法的手続を実施していきます。平成二十七年度に越谷市の中核市移行が実現しますよう、県としても支援をしてまいります。 次に、県の災害対策についてのお尋ねのうち、災害時の他県との相互支援協定についてでございます。 首都直下型地震のような大規模災害が起きましたら、今で言う国の省庁、霞が関の機能はほとんど失われる可能性がありますし、全国知事会あるいは全国市長会などの事務的な機能も喪失する可能性があります。したがって、ふだんから関東ブロックあるいは近畿ブロックなどの、いわゆるブロック単位で物事を考えたり、訓練をしていく必要があると思っております。 したがいまして、大規模災害の場合は地域ブロックを越えて、他のブロック同士で助け合うという、そういう仕掛けを考えております。例えば、関東中央ブロックが被災すれば、第一順位で北海道・東北ブロックが助けることになっています。第二順位で、中部圏ブロックが助けるといった具合で、あらかじめカバーするブロックが指定しております。カバーブロック体制による支援の場合、カバーブロックの中で具体的にどの県が被災県を支援するかは、そのブロックの副会長県、我々は幹事県と言っておりますが、その県が決めることにしております。 議員御提案の県と県における包括的な相互支援協定は、ふだんから顔が見える関係をつくることができ、カバーブロックの中でも支援県を決める際にも有効でありますので、災害支援もスムーズに運ぶだろうと思います。ちなみに、埼玉県が被害を受けた場合には、第一順位として千葉県がカバーすることになっています。東京都が被害を受けた場合には、埼玉県がカバーすることになっております。こういう仕組みをふだんから丁寧に訓練をしておきながら、いざというときに体制ができるようにしておきたいと考えて、今全国知事会でそういうルールづくりを丁寧に作業しているところでございます。 次に、災害時の緊急輸送道路対策についてでございます。 まず、緊急輸送道路沿いの建物の倒壊防止についてでございますが、県では平成十九年度に市町村の協力を得て、さいたま市、川越市など十一の都市を除く県が所管する五十三の市町村を対象に、書類と現地確認による調査を行っています。この結果、昭和五十六年以前の旧耐震基準で建てられたまま改修されていない建物で、緊急輸送道路を塞ぐ高さのある建物が五十六棟あることが確認できています。これを受け、県では建物所有者に対し、耐震化を積極的に働き掛けてまいりました。その結果、耐震改修されたものが六棟、診断により耐震性が確認されたものが三棟、計九棟の耐震性が確認されています。また、三棟については解体されております。したがいまして、まだ四十四棟の耐震性が現在確認できておりません。 そこで、県では従来の民間建築物への助成制度を平成二十三年度から拡充し、緊急輸送道路沿いの建物については補助限度額及び補助率を大幅に引き上げ、耐震改修の一層の促進を図ることにしました。さらに、平成二十三年度は県職員が建物所有者を個別訪問するローラー作戦を展開しています。現在、電話により建物所有者と日程調整などを行いますが、三件の耐震診断の希望が寄せられました。建物の倒壊防止については、災害時の道路の重要度や建物の危険度などを考慮してグループを分けて、そして優先順位をつけまして、年間二、三件の耐震化によって、当面二十年で全て完了するように計画的に耐震化を進めていくように取り組んでいます。耐震化を所管する十一の市についても、県に準じて耐震化を進めていただきたいと考えております。 次に、橋の落下防止についてでございますが、さきの阪神・淡路大震災では高速道路が横倒しになるなど、橋に大きな被害がありました。このため、県では昭和五十五年より古い基準でつくられた橋を対象に、橋脚を太く補強したり、橋桁が落ちないよう耐震補強工事を進めてきました。県が管理する緊急輸送道路で耐震補強が必要な橋は百三十二あり、これまでに鉄道や道路、大きな河川をまたぐ橋を優先して補強を進め、八十一の橋が完了しています。東日本大震災では、茨城県にある鹿行大橋に耐震補強が実施されていなかったために橋桁が落下して、死者が出るなどの被害がありました。このようなことが本県でも起こらないよう、何が何でも耐震補強のスピードアップをする必要があると思っております。 現在、埼玉県耐震対策行動計画では、目標年次の平成二十七年度までに百三十二の橋のうち、百十七の橋の耐震補強を予定しておりましたところですが、今後は平成二十八年度以降に予定した残る十五の橋も全て前倒しをして、平成二十七年度までに全ての橋の耐震化を目指したい、このように考えております。大震災があっても、緊急輸送道路が十分に機能を発揮できるように、しっかり対策を講じていきたいと考えております。       〔岩崎康夫都市整備部長登壇〕 ◎岩崎康夫都市整備部長 御質問二、県の災害対策についての(三)切り土・盛り土をした住宅の被害対策についてお答えを申し上げます。 新潟県中越地震などでは、丘陵部において盛土造成地の一部で地滑りが発生し、住宅や道路等に被害が生じました。このため、国では平成十八年に宅地造成等規制法を改正し、宅地耐震化推進事業を創設いたしました。この事業は、一定規模以上の谷などに盛土造成した箇所を調査し、安全性に問題がある箇所を造成宅地防災区域に指定し、必要な地滑り対策を進めるものでございます。本県では、今回の東日本大震災において、丘陵部の盛土造成地区箇所での地滑りは発生しておりませんが、今後、東京湾北部地震などの発生が懸念されております。 そこで、県では平成二十年度からこの事業を活用し、県が権限を有する五十六市町村を対象に、地滑りの可能性のいかんにかかわらず、一定規模以上の盛土造成箇所の抽出作業を進めてまいりました。この抽出では、現在と昭和二十年代の地形の航空写真を照合し、盛土造成の有無を確認する方法をとっております。平成二十三年度は、抽出した盛土造成地を対象に、周辺地域への影響などによる分類を行うとともに、盛土の厚さや傾斜角度などのデータを基に、簡便な方法による安全判定を行っているところでございます。 今後、この調査を進める上では、民間の宅地が対象となりますので、風評など過度の不安を与えることがないように配慮しつつ、対応していく必要がございます。引き続き、地元市町村の御協力をいただきながら、丘陵部における盛土造成地の安全性の確保に努めてまいります。       〔高橋和彦環境部長登壇〕 ◎高橋和彦環境部長 御質問二、県の災害対策についてのお尋ねのうち、(四)瓦礫の仮置き場確保についてお答えを申し上げます。 今回の東日本大震災では、東北三県で約二千三百万トンのがれきが生じたと推計され、被災地の復旧、復興に大きな足かせとなっております。そのため、議員お話しのとおり、大量に発生する災害廃棄物の保管や選別を行うことのできる仮置き場をあらかじめ確保することが重要です。災害廃棄物の処理は、市町村の業務ですが、県は市町村及び一部事務組合と協力して相互支援体制を構築しています。この体制の中で、市町村及び一部事務組合は仮置き場として使用可能なオープンスペースを確保し、その情報を共有することで災害時には相互に支援できるようにしております。 現在、県内で確保されている仮置き場は、最終処分場やグラウンド、空き地など三十八市町で百十四か所あります。合計面積は約百八十五ヘクタールで、四百九十三万トンの災害廃棄物を仮置きできると推定しています。これは、埼玉県地震被害想定調査において想定される災害廃棄物発生量にほぼ対応できる規模ですが、想定を超える事態も考慮すべきと考えます。県としては、今後も仮置き場が確保されていない市町村に対して働き掛けを行うなど、この相互支援の体制を一層強化、充実させてまいります。       〔海北晃農林部長登壇〕 ◎海北晃農林部長 御質問三、農産物の放射能汚染と風評被害への対応についてお答えを申し上げます。 まず、(一)本県農産物への影響と対応についてでございます。 福島第一原子力発電所の事故により、本県では一時、牧草についての給与自粛の要請を行い、これに伴って酪農経営を中心に代わりのえさを手当てするための費用負担などが発生しました。一方、野菜、梅やブルーベリー、お茶などにつきましては、いずれも暫定規制値を下回り、安全であることを確認しました。 ただし、東京都中央卸売市場の価格を分析しますと、キュウリやトマトなど一部の県産農産物について、出荷制限指示が出された他県と同様の傾向で価格の低下が見られました。原発事故問題は収束しておらず、消費者の農産物への不安はまだ解消されていない状況にありますことから、今後とも継続的に調査を行い、県産農産物の安全性を確認していきます。 また今後、農家が東京電力に損害賠償を請求する際に、証拠書類が必要となることについて、農業団体と連携して周知を図るとともに、損害賠償請求に関する情報提供や相談に応じてまいります。 次に、検査結果の公表についてでございます。 放射性物質の調査結果につきましては、毎回報道機関に資料提供をするとともに、県のホームページで公表しています。さらに、農産物ブログサイトやメールマガジンでも、県産農産物の安全性について情報発信を行っています。 また、現在流通している農産物が安全であることは、本県のみならず、被災県の農産物にも言えることです。そこで、六月十二日にさいたま新都心で開催されたみどりの再生とことんトークにおいて、本県産に加えて岩手、宮城、福島三県の農産物などについてもPR販売を行いました。 また、加須市の旧騎西高校に福島県の双葉町から避難されている方々の中には、多くの農業者がいらっしゃいます。このため、今年の秋に加須市で開催する農林まつりでは、福島県などと連携したイベントを検討しています。今後とも、調査結果の積極的な公表により、県産農産物に対する消費者の安心を確保するとともに、被災県などとも連携して農産物の安全性のPRに努めてまいります。       〔成田武志県土整備部長登壇〕 ◎成田武志県土整備部長 御質問四、水辺再生事業の継続あるいは事業発展についてでございます。 水辺再生一〇〇プランは、一定の区間を短期間で集中的に整備し、県民の皆様に確かに変わった川の姿を実感していただくもので、川の再生のリーディング事業として実施しております。これまでに、四十三か所が完成し、川の美化活動を行う水辺のサポーターもこの四年間で約四・六倍の二百二十六団体まで増加いたしました。これからは、まず各地で芽生えた地域活動をしっかりと支援し、川を思い、川にやさしい行動をする川の守り人を増やし、育ててまいります。 さらに、これまでに再生した箇所を生かして、一本の川を上流から下流まで丸ごと再生するプロジェクトへのステップアップなども検討してまいります。県が整備した遊歩道や広場を活用し、商店街や自治会などの地域コミュニティと協働して地域活動やまちおこしにつなげていく必要があると考えております。また、川の整備と市町村のまちづくり計画が連携した「かわまちづくり」を進め、広い視点で水辺の魅力アップを図っていくことも重要と考えております。今後とも、世代を超えて県民の皆様に愛される川づくりを進め、川の国埼玉の実現を目指してまいります。 次に、御質問五、地元問題についてお答えを申し上げます。 まず、(一)新方川整備計画の進捗状況についてでございます。 御質問の戸井橋は、管理者の国土交通省に委託して架換え工事を進めております。平成二十三年度には、上部工を施工し、架換え工事が完了する予定でございます。戸井橋の上流部の改修は、中堀橋までの約一・四キロメートル区間について、平成二十三年度から順次護岸整備を進めてまいります。中堀橋から上流は、下流の状況を見ながら整備について検討してまいります。 また、東武伊勢崎線の橋りょうは、平成二十二年度から東武鉄道と協議を始め、これまでに概略設計が完了し、平成二十三年度は詳細設計を進める予定でございます。 次に、排水機場の整備予定でございます。 国が公表している中川の改修方針では、全体計画約二十一キロメートル区間の堤防整備を行った後、新方川との合流点の水門を整備する予定となっております。御質問の排水機場の整備予定は、今後国が策定する中川の河川整備計画の中で明らかにするよう、国に働き掛けてまいります。今後とも、新方川流域の治水安全度の向上を図るため、鋭意整備を進めてまいります。 次に、(二)越谷市内の都市計画道路の進捗状況についてでございます。 まず、浦和野田線、増林工区でございます。新大吉橋の接続先となる県道越谷野田線との交差点は、用地買収が一部難航しております。引き続き、地権者の方々の御協力が得られるよう、用地買収に努めてまいります。買収後、橋の架換えと合わせて交差点工事に着手できるよう、関係機関との協議を進めてまいります。 次に、元荒川工区でございます。 これまで、元荒川の自然環境や景観の保全に配慮しつつ、六つの案について比較検討してまいりました。今後は、生活環境への影響などの課題を整理しながら、案の絞り込みを行い、その後地域の方々と合意形成が図られるよう進めてまいります。 次に、南浦和越谷線の延伸でございます。 国道四号の東側の県道蒲生岩槻線と並行する区間は、整備手法の検討や事業主体の調整を行ってまいります。また、東武伊勢崎線を挟み、県道足立越谷線付近までの事業中区間につきましては、残る一件の用地買収を進め、早期完成に努めてまいります。 さらに、東側への延伸につきましては、その後速やかに事業着手できるよう準備してまいります。 次に、八潮越谷線でございます。 この道路は、大規模工場の区間を残して開通しております。これまでに、工場の補償方法について調査を行ってまいりました。道路計画では、工場敷地を分断するため、更に工場の資材や製品の運搬経路の検討を行い、今後地権者との交渉を進めてまいります。 次に、吉川橋でございます。 現在の橋を仮橋として生かすことは、新しい橋の工事の支障となるため、難しいと考えております。また、車が通行できる仮橋は、吉川市側で新たな用地取得が必要となり、費用対効果の面でも課題がございます。県といたしましては、工事期間の短縮を図り、地元の皆様への影響ができるだけ少なくなるよう、施工方法などを工夫してまいります。       〔横山雅之警察本部長登壇〕 ◎横山雅之警察本部長 御質問五、地元問題についての(三)越谷レイクタウン地区全体の防犯対策についてお答えを申し上げます。 越谷レイクタウン地区については、平成二十年十月に大型商業施設イオンレイクタウンがオープンして以降、同地区を管轄する大相模交番管内の犯罪認知件数が大きく増加し、平成二十一年には八百三十八件となったところであります。 そうした状況を踏まえ、県警察では平成二十一年度以降、大相模交番に警察官及び交番相談員を増員配置し、また小型警ら車を新たに配置して同地区のパトロールを強化するとともに、大型商業施設内の店舗に対する防犯指導、施設内の巡回パトロールなどを活発に実施したほか、地域の自主防犯活動団体と連携した各種防犯対策を積極的に推進したことなどによりまして、昨年、平成二十二年の刑法犯認知件数は五百九十七件、前年と比べマイナス二百四十一件、マイナス二八・八パーセントと大きく減少し、特に万引きの認知件数は半減したところであります。 また、大型商業施設への来場者が多い週末及び祝日の昼間帯には、越谷レイクタウン駅前広場に移動交番車による臨時交番を開設し、県民の利便向上に努めているところであります。 議員御指摘のとおり、越谷レイクタウン地区では年々定住人口が増加するとともに、本年春のアウトレットモールの新規オープンなど、地域の治安情勢は変化しており、今後も更なる発展が予想されることから、同地区内の交番設置の必要性は認められると考えております。そうした地域の情勢の変化や犯罪、事故の発生動向等を踏まえ、地域の安全・安心を実現するため、今後、越谷レイクタウン駅前への交番の設置については、現在同地区を管轄している大相模交番のほか、近隣交番の所管区の在り方を含め、総合的に検討をしてまいります。          ---------------- △休憩の宣告 ○荒川岩雄副議長 暫時、休憩いたします。午後二時一分休憩          ----------------午後三時一分再開 出席議員    九十一名     一番    二番    三番    四番     五番    六番    七番    八番     九番    十番   十一番   十二番    十三番   十四番   十五番   十六番    十七番   十八番   十九番   二十番   二十一番  二十二番  二十三番  二十四番   二十五番  二十六番  二十七番  二十八番   二十九番   三十番  三十一番  三十二番   三十三番  三十四番  三十五番  三十六番   三十七番  三十八番  三十九番   四十番   四十一番  四十二番  四十三番  四十四番   四十五番  四十六番  四十七番  四十八番   四十九番   五十番  五十一番  五十二番   五十三番  五十四番  五十五番  五十六番   五十七番  五十八番  五十九番   六十番   六十一番  六十二番  六十三番  六十四番   六十六番  六十七番  六十八番  六十九番    七十番  七十一番  七十二番  七十三番   七十四番  七十五番  七十六番  七十七番   七十八番  七十九番   八十番  八十一番   八十二番  八十三番  八十四番  八十五番   八十六番  八十七番  八十九番   九十番   九十一番  九十二番  九十三番 欠席議員    三名   六十五番  八十八番  九十四番 地方自治法第百二十一条の規定により説明のため出席した人   知事       副知事(塩川)  副知事(広畑)   企画財政部長   総務部長     県民生活部長   危機管理防災部長 環境部長     福祉部長   保健医療部長   産業労働部長   農林部長   県土整備部長   都市整備部長   会計管理者   公営企業管理者  病院事業管理者  下水道事業管理者   教育長      警察本部長 △再開の宣告 ○鈴木聖二議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続き) ○鈴木聖二議長 質疑質問を続行いたします。 五十番 梅澤佳一議員       〔五十番 梅澤佳一議員登壇〕(拍手起こる) ◆五十番(梅澤佳一議員) 五十番、自由民主党県議団、東第十二区、旧栗橋町、鷲宮町から選出をさせていただいております梅澤佳一です。六月定例会も、一般質問最終日の最終人となりました。どうか、もう少しですから、しっかりとよろしくお願いしたいと思います。 始まり前ですが、三月十一日の震災のときに、私の地元であります南栗橋地域が液状化で大変な災害を見ました。テレビでも、御覧のとおりであります。会派によっては、たくさんの方にも現場に入っていただきました。そして、多くの方に質問もしていただきました。本当にありがとうございます。 今回、私も三期目の当選をさせていただきました。政治というのは、弱い人のために、困っている人のために、今何ができるのかと問われているのが政治だと思います。それを含めて、四年間しっかりと働いてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 それでは、質問に入ります。 まず、安全な埼玉県の県土づくり、液状化被害に向けた取組について伺います。 今回の災害におきまして、久喜市南栗橋地域が液状化現象による大きな被害が発生しました。家や電柱は傾き、道路は波打ち、至る所で砂の噴出など、悲惨な状況でありました。当時、家にいた方は危険と思って外に出ると、腰の高さぐらいまで噴き上がる砂、波打つ道路にしゃがみ込むしかなかったようであります。小学校も、先生方が学校付近は確認したものの、この地域の安全確認をしないまま児童を下校させたため、家の状況を見た子供たちは、泣きながら学校へ戻り、被害を確認した先生は家族が戻るまで学校で保護していたようです。その後、住民は停電や断水、傾いた家や電柱の恐怖、近くのコミュニティセンターに避難をいたしました。 私は、十二日の朝、現場に入り状況を確認、被害の大きさに驚き、早速、知事に被害状況を報告、支援の協力をお願いをいたしました。危機管理防災部では、県土整備部に連絡、杉戸県土整備事務所で被害状況の確認をしていただきました。十一日の震災後、夜を徹して懸命な応急復旧作業をしていただいた地元建設業協会、水道組合の各業者の方々、また住民のお世話をしていただいた市の職員には感謝でいっぱいであります。 しかし、被災者にとって、なぜ自分たちの地域だけがとの思いから、液状化が起きた原因、旧栗橋町が施行した土地区画整理事業によるものであることから、久喜市が住宅被害の補償をすべきと主張する方々が多く、説明会では市への不信感と責任問題を第一に紛糾したことも度々ありました。説明会も六回実施され、六月五日には南栗橋地域における液状化被害の基本的な考え方として、市長から住民に丁寧に説明がありました。 この説明では、液状化が起きたことについて、土地区画整理事業が行われた経緯、事業が行われた当時の法令や基準の状況、地質調査の結果などを踏まえ、土地区画整理事業を実施した旧栗橋町、現在は久喜市に責任はなかったこと、住宅被害に見舞われた住民の皆様に対する支援策については、国の法律も含め、県と市の支援策を検討していること、被災を受けた皆様が今後とも南栗橋に住み続けられるよう、市を挙げて取り組んでいくことなどが住民に説明されました。これまでの多くの方々の御支援や激励をいただき、誠に感謝にたえません。 特に、被災者再建支援法の適用のため、上田知事や県選出国会議員の方々、県議会議員の方、また地質の調査やり災証明発行には多くの建築士組合の御協力もいただきました。本当にありがとうございます。 現在のり災証明の状況ですが、大規模半壊が四十四棟、半壊が四十六棟、一部損壊六十三棟となっています。久喜市では、六月定例会で生活に欠かせないライフラインの復旧を中心に一億八百万円の補正を組み、また生活の再建支援として基金条例、久喜市東日本大震災被災者支援基金条例を可決成立させ、独自の支援も動き出しました。しかし、いまだ被災者の生活は大変であります。傾いた家での生活はできず、近隣へ避難されている世帯などがまだ十九世帯あり、子供たちを電車で通わせ、地域のコミュニティもない状態で大変疲れているようです。まだ多くのローンを抱え、また退職金で家を買われた方など、被災者の立場になると早く具体的支援が望まれます。 そこで、液状化被害に向けた取組について知事に伺います。知事は、答弁の中で、今回、久喜市の復旧、復興支援のために被災者再建支援法の適用を受けられるよう、国の責任でしっかりやってほしい。もし、県が先行してやれば、国が責任を回避する可能性があると答弁しています。生活者再建支援法は、阪神・淡路大震災時にできた法律であります。国が半分、県が半分で基金をつくり、一つの県では対応し切れない大規模災害に備えた法律でありますので、そのほかの被害は県で対応していただきたいと、国も松本大臣も固いようです。知事は、場合によっては政令改正で変えることも可能ではないかとも答弁をされていますが、国はいつ頃までに改正するとお考えでしょうか。 また、国の生活者再建支援法の適用が受けられなくなった場合、県としての支援策が必要であると思いますが、知事の御所見を伺います。 今回の震災による県内の液状化被害の状況については、県全体で百九十一件の被害報告があったこと、特に県東部地域に液状化危険度が高いということが江野議員の答弁でも明らかにされました。今後の被害軽減策のために、液状化マップの活用が考えられます。埼玉県が平成十九年度に作成した液状化マップを安全な建築物の建設に役立てていけないものでしょうか。 また、住民保護のため、地震保険の適用範囲の拡充を考えるべきではないでしょうか、知事に伺います。 先日、日本損害保険協会から、地震保険支払査定の際の損害認定基準の緩和策の発表がありました。しかし、地震保険は保険料が高く、大体、火災保険料の一・五倍であります。新築は別として、多くの住宅が地震保険に入ることが難しいと思われます。知事の御所見を伺います。 次に、埼玉県の高校改革について伺います。 教育改革を推進していくためには、高校教育の分野で公立、私立の双方が果たしている役割やこれまでの経過などを十分に踏まえつつ、公的関与の在り方や県民の役割分担の再点検とともに、受益と負担の在り方など、視点に留意しながら、より質の高い教育サービスを提供していく仕組みづくりが要求をされています。 まず、埼玉県の公私比率について伺います。 埼玉県の公私比率六五対三五とは、県内における公立高校と私立高校生徒数の割合です。埼玉県においては、昭和五十年代の初めに生徒急増期への対応を図るため、公立高校における生徒収容割合を六五パーセント、残りの三五パーセントを私立が受け持つという申し合わせのもとに、県立高校の整備を進めてきました。 しかし、現在のような生徒の減少期においても、なお引き続きこの申し合わせが存在しており、公私間の自由な競争を阻害、私立にとっては大きな壁となっています。 昨今、大阪府や大分県では公私の比率の見直し検討が行われ、関東の都県を見ても近年、公私比率の見直しを実施をしています。 一方、埼玉県は昭和五十年度末まで私立中学生がわずか二校、一学年生徒数が百四十名ということでしたが、平成二十二年には二十三校、一学年の学則定員が三千二百十九名を数えるまでになり、埼玉県の在住のみならず、首都圏全域から生徒が通学する状況が続いています。これは、私学が建学の精神の下、教育力のアップ、特色のある教育の推進、多様な生徒のニーズに応える教育の実践など、様々な努力の結果であると思われ、私立にかける期待が現状となって現われてきています。 東京都と大阪府は、公私比率を「公立中学校に在籍している中学三年生で他県への進学を除く生徒の収容割合」と定義をしています。一方、埼玉県では、公私比率は「埼玉県全ての中学に在籍している中学三年生の県立高校に進学する生徒の割合」と定義しています。でも、私立中学から県立に入学する生徒がいるでしょうか。 また、埼玉県は県外から県内の私立中学校の生徒も含まれ、また県外へ進学するであろう生徒も含まれています。ですから、実質的な六五対三五にはなっていないのではないでしょうか。埼玉県の教育委員会は、まず埼玉県の公立に進学する生徒の枠を確保、それ以外は全て私立の割合とした計算をしています。 知事は、平成十六年十二月定例会、細田議員の一般質問に対し、次のように答弁をしています。公立と私立の生徒の受入れ割合について、今後この協議会で従前の例にとらわれることなく、時代のニーズ、生徒、保護者のニーズをしっかり把握して協議を進めていくことが望ましい、と答弁をされています。私は、いずれ公私比率そのものを検討すべきと思いますが、当面は公私比率の計算の仕方を変えるべきだと思います。平成二十二年度から公立高校の授業料は無償となり、私立高校生にも支援金を支給することで父母の負担が軽減をされ、生徒の選択肢も広がると思われます。そこで、公私が協調して公私協議会で公私比率を変える、もしくは計算方式を検討することは可能であると思いますが、知事の御所見を伺います。 次に、私学の運営状況の問題です。 父母負担軽減補助については、本県は最高レベルであります。しかし、運営費補助については十分と言える水準ではありません。平成二十二年度の本県生徒一人当たりの補助金額は二十六万七千三百三円で、平成十六年度から連続して全国最下位、関東地区では次に低い神奈川県が二十九万五千八十二円であることを考えると、もはやこのままでは埼玉県の私学は首都圏の私学間における競争力を失うことになりかねません。さらに、埼玉県の私立高校経常費、生徒一人当たりの金額は国の財政措置と比較して、この三年間の平均、平成十九年度から平成二十一年度で五万一千二百二円減少しています。 一方、授業料は同期間で平均一千七百五十七円の値上げにとどまっていますので、計算では本県私学平均で生徒一人当たり四万九千四百四十五円の学校の減収となっています。このような状況が続けば、学校の経営努力にも限界があり、大多数の学校の経営基盤を弱め、ひいては競争力の喪失、教育の質的低下など、公教育の一環を担う私学の危機的な状態を招きかねません。国の財政措置の中での本県の学校運営費補助金の見直しができませんか、知事に伺います。 次に、公立高校入学者選抜の日程についてであります。 来年度入試より、公立高校入学者選抜の日程が変更され、前期、後期二回の募集から全学科一回の募集になります。この制度に向けては、十九年から私学との話し合いや私学からの四回にわたる要望書が提出をされ、公私でスムーズに移行できる努力をしてきたと聞いております。その中で、特にお願いしたことは、東京、神奈川、埼玉の私学が採用している入試日の固定化ということであります。具体的には、曜日に関係なく、一月二十二日が試験の解禁日として統一をされているそうです。公立高校も、入試日を固定化することで、受験生が後の対策や準備がスムーズにできるものと思われます。 そこで、教育長に伺いますが、入試日を固定することは可能ですか。また、十九年以降、教育委員会でこの点についてどういう検討がなされたのでしょうか。実現できない場合には、その原因はどこにあるのか併せて伺います。 次に、さいたま新都心第八-一A街区の整備について伺います。 さいたま新都心第八-一A街区の整備について、我が自民党県議団幹事長の小島議員も質問をいたしました。私は昨年、県土都市整備委員でありましたので、六月定例会で民間事業者が事業の撤退したことについて、もっと県が主体性を持ってさいたま市や都市再生機構と協力して、関東の顔にふさわしいまちづくりを実現すべきという附帯決議を付した経緯がありました。県民の多くは、あの超一流企業が事業の撤退をするのかと落胆しました。昨年六月定例会以降、県はどのように主体性を持って、この二病院の集約に臨んできましたか、三者の意見集約に当たってはトップ会談があったのでしょうか。新聞報道によれば、さいたま市長と微妙な意見の違いがあるようですが、さいたま市との信頼関係は築けているのでしょうか、伺います。 知事は、県民の大きな期待に応えられなかったことを踏まえて、関東の中心であるこの地をにぎわいの創出から安心・安全のシンボルとして発表した以上は、きちんと完成をさせないとなりません。そこで、前回の失敗を教訓に、さいたま市をはじめとする関係者との協議をどのように進めるのか伺います。 また、この地には以前、県立がんセンターの設置案もありましたが、検査機器の設置やスペースの関係で断念した経緯があります。さいたま赤十字病院は、救急病院です。検査機器も数多く設置しなければなりませんし、小児医療センターも集約されることですから、スペースは大丈夫かが心配です。また特に、さいたま赤十字病院は救急患者が多く、集約に当たっては相当数の救急車の受入れとなりますが、周辺の御理解は得られるのかが心配であります。県は、医療の連携を病病連携や病診連携とが重要と大きく掲げ、拠点病院を中心に高価な検査機器も開業医にも使っていただきながら協力していただき、地域医療を支えようとしていますが、この構想をつくるに当たって小児医療センターに隣接している東部地域の医師会との話し合いは行われたのでしょうか、知事に伺います。 次に、水道広域化の推進についてお伺いをいたします。 現在、県内の水道事業は平成の大合併による水道事業者が八十二事業者から六十業者へ減少し、市町村合併による広域化が進んでいます。しかし、それでも水道料金は事業の創設時期や施設の整備状況によって、十立方メートル当たり安いところで七百十四円、最も高いところで一千五百七十五円と約二倍の格差が生じている現状であります。また、水道使用量の減少に伴う料金収入の減収、反面、施設の老朽化に伴う更新費用の捻出、併せて団塊世代の退職による技術力の低下など、様々な課題を抱えています。私は、このような課題を解決するために、水道事業者同士を統合する広域化が最も有効な方策だと、これまで提言をしてまいりました。 また、三月十一日に発生した東日本大震災によるライフラインへの被害は大きく、全国で百六十万戸を超える断水被害が発生、いまだに復旧作業自体が困難な地域もあります。住民の生活環境を守るには、施設の適切な更新や耐震化により、できる限り被害を少なくすることとともに、一刻も早い復旧作業が不可欠でありますが、それには高い技術力が必要となります。さらに、更新や耐震化の費用は国の助成制度があるものの、十分とは言えず、やはり水道事業者自身で確保しなければならない状況にあります。このように、通常時はもとより、災害など非常時の対応を考えてみましても、近隣市町村との連携、いわゆる広域化を実施し、技術力を確保したり経営基盤を強化していくことが必要であります。 県では、今年三月に埼玉県水道整備基本構想を改定し、二十年後の経営統合に向けて推進していくこととしていますが、計画実現に向けての保健医療部長の所見を伺います。 また、整備構想に示された水道広域化を早期に実現するには、県営水道が担う役割も大きいと考えますが、どのように取り組んでいくのか、公営企業管理者に伺います。 次に、高齢者の就労支援、シルバー人材センターの課題とその対応について伺います。 シルバー人材センターの理念は、自主・自立、共働・共助ということであります。高齢者が高齢者を支え、助け合っていく時代に入っている中で、このシルバー人材センター事業はこれから更に拡大していくべき取組であると考えます。これまで、国においても昭和五十五年に国庫補助事業として位置付け、昭和六十一年には定年退職者などに対し、就業機会の確保に努めることを国及び地方公共団体の責務と位置付ける法律を施行するなど、この事業の全国的な拡大を図りました。さらに、平成八年には市町村単位に設置されたシルバー人材センターを会員とする都道府県レベルの公益法人シルバー人材センター連合として指定する法改正も行い、事業の拡大、運営の円滑化を図りました。埼玉県においては、財団法人いきいき埼玉をシルバー人材センター連合として指定をしているところであります。 こうして発展を続けてきた事業ではありますが、平成二十一年の十一月に行政刷新会議による事業仕分けにおいて、補助金の既得権益化が指摘されるとともに、全国シルバー人材センター事業協議会や各都道府県シルバー人材センター連合の存続自体の意義や運営コストも問題とされ、国庫補助額も大幅に削減をされました。これによって、各地のシルバー人材センターの運営は大きな打撃を受けたと聞いていますが、こうした状況を踏まえ、次の三点について産業労働部長に伺います。 まず現在、各地のシルバー人材センターにおいては、どのような課題となっているのでしょうか。 次に、事業仕分けで存在意義を問われた各シルバー人材センター連合としては、そうした課題に対してどのように対応されたのでしょうか。 三点目としては、県としてはシルバー人材センター連合にどのように関わるのでしょうか。また、国への要望、働き掛けなどは考えているのでしょうか、伺います。 次に、子育て応援マンションの認定に係る地域コミュニティについて伺います。 知事は常々、子育ては地域全体、また社会全体と言われています。私も、子供は地域の中で支え合い、守られ、社会の仕組みや礼儀を勉強しながら成長するものだと思っております。 近頃、駅前などに建設される分譲マンションは、セキュリティゆえの配慮からオートロック機能があり、マンションの住民でないとチラシを配ることもできません。全く議員泣かせです。このようなハード面の特徴が影響してか、マンションの住民の方は地域の自治会活動への参加も少なくなっていたり、マンション全体が自治会に入会していないなど、地域とのつながりが疎遠になっていると聞いています。私は、マンションの中の付き合いだけではなくて、地域にも目を向けてほしいと思います。これでは孤立化が進み、子供会といったものもできずに、子育ての面から見ても子供の将来が不安になります。 県では、今年度新規事業として子育て応援マンション認定制度を実施すると聞いております。この認定基準を見ますと、子育てを支援するサービスの提供を求めており、間接的ではありますが、マンション管理組合の活動を活性化することと思われますが、私は子育て応援マンションの取組において、更なる地域コミュニティの形成につながる仕組みが必要と考えますが、都市整備部長の御見解を伺います。 次に、介護職員の確保と定着について伺います。 去る六月二十二日に公布された介護保険法の改正法には、医療、介護の連携の強化、二十四時間対応の定期巡回、随時訪問サービスの創設など、新たな取組が盛り込まれています。私は、これらを支える介護職員を確保することがますます重要な課題であると考えます。埼玉県内の介護関係の平成二十三年四月の有効求人倍率を見ますと一・三〇と、全業種の平均〇・四五と比べると、相変わらず人材不足の状況が続いています。 国の賃金構造基本調査によりますと、全労働者の給与額が約三十二万円であるのに対して、福祉施設介護員、ホームヘルパーはともに二十一万円と大きく下回っております。全勤労労働者の離職率について見ますと、全産業平均一二・九パーセントであるのに対して、介護職員は一七・二パーセントと大きく上回っております。こうした状況の下、事業者は人材の不足が事業所運営の存続に直結する深刻な問題であることを十分に認識して、危機感を持って労働条件などの改善に積極的に取り組むことが極めて重要であります。また、県においても、これらの事業所に対する意識啓発に努めることが大切であります。 県では、介護職員一人当たり月額平均一万五千円の賃金改善を行う介護職員処遇改善交付金により、賃金改善に取り組んでいます。しかしながら、平成二十一年度は申請率が八一パーセント、この制度を活用しない事業者が二割弱あると聞いています。 そこで、申請しない事業者に対しては、どのような働き掛けをして、どのような成果があったのでしょうか。 また、この交付金制度は平成二十三年度末までと聞いております。引き続き、介護職員の処遇改善を図るためには、介護報酬の増額改定が必要と考えますが、平成二十四年度報酬改定の見通しについては、どう考えておられますのでしょうか。 次に、職場への定着の支援も極めて重要であると私は考えます。介護職員の多くは、働きがいや社会の役に立ちたいといった志を持って、介護の現場を選んでいます。しかし、実際には一年を待たずにして辞めていく職員が多いという現実があります。そのため、県は平成二十二年度から介護職員が将来の展望を持って働き続けることができるよう、介護福祉士試験の合格者に対し受験料の一部を補助する介護職員キャリアアップ・チャレンジ事業を始めています。その実績と成果はどうなっているのでしょうか。 また、介護職員の定着しない原因とは、賃金のほかにも様々な要因があると考えます。今後、県としては高齢化の進展に伴い、介護ニーズが増大する中、介護職員の定着をどのように促進していくのでしょうか。以上、福祉部長に伺います。 次に、地元問題についてお聞きします。 まず、都市計画道路幸手鷲宮加須線の整備について伺います。 都市計画道路幸手鷲宮加須線は、県北東部地域における経済の活性化や県道加須幸手線の交通渋滞の解消に大きく貢献する道路であり、地元の方々は早期の全線開通を心待ちにしております。これまでも、県は積極的にこの道路の事業の推進に取り組んでいただいておりまして、昨年八月にはJR宇都宮線をまたぐ立体交差部が完成、幸手市の市街地と旧鷲宮町間の移動がとてもスムーズになり、ぐんと近くなったように感じています。これも、県当局の御尽力のたまものと、地元関係者を代表して深く感謝を申し上げます。 この開通によりまして、県道さいたま栗橋線の東側は国道四号まで四車線で開通しましたが、西側にはまだ未整備のところが残っています。そこで、残る旧鷲宮町地内の県道さいたま栗橋線から加須市境までの区間と加須市内の未整備区間の進捗状況と今後の見通しについて県土整備部長に伺います。 最後に、青毛堀川の改修について伺います。 私の地元、旧鷲宮町では平成二十年八月に時間雨量にして七十七ミリ、総雨量二百五十九・五ミリという物すごい大雨に襲われました。この大雨により、床上や床下浸水が二百棟にも及ぶ被害が発生をいたしました。それ以降、地元では大雨が降るたびに不安にかられている日々を過ごしています。このため、関連する地元自治体が団結をして、平成二十二年一月に青毛堀川改修事業整備促進期成同盟会を設立し、加須市長、久喜市長、鷲宮町長さんが知事に水害対策についての要望を行いました。地元県議として野本県議、樋口県議とともに私も立ち会いをさせていただきました。また、平成二十二年十一月にも再度、知事への要望を行い、知事から旧鷲宮地内の暫定的な調節池の整備を重点的に進めていく、との大変心強い発言をいただいたところであります。 これまでに、青毛堀川の改修については、下流部から順次整備を進めているとともに、上流においては花崎遊水地の整備を進めていただきました。この結果、花崎遊水地については平成二十二年十一月に竣工記念式典が行われたところでございます。これにより、上流に位置する加須市だけではなくて、青毛堀川流域における浸水被害の軽減に大きな役割を担うものと大変感謝をしている次第であります。 しかしながら、旧鷲宮地内の浸水被害対策としては、現在、県が進めている暫定的な調節池の整備が効果を発揮するものと考えています。現在、調節池の掘削工事も始まってきたようです。地元では、この工事が一日でも早く完成することを強く望んでいます。 そこで、この鷲宮地内における青毛堀川の改修事業の進捗状況と今後の見通しについて、県土整備部長にお伺いをいたします。 以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手起こる) ○鈴木聖二議長 五十番 梅澤佳一議員の質問に対する答弁を求めます。       〔上田清司知事登壇〕 ◎上田清司知事 梅澤佳一議員の質問に順次お答えいたします。 まず、安全な埼玉の県土づくりについてのお尋ねのうち、国の政令改正についてでございますが、まずは梅澤議員が液状化して困難な状況にある方々のために、御尽力をされておられること、感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。 県では、被災者生活再建支援法施行令の改正のための要望をずっと行っております。基本的には、この制度の中身が極めて不十分であるということに、この問題の本質があります。政令で規定されたものは、全壊戸数のみで適用の可否を判断することになっております。その要件はやっぱり緩和して、大規模半壊あるいは半壊二世帯を全壊一世帯にみなす、こういう考え方にしなければ、市町村単位で考えておりますので、全壊があってその他は、こう言っては大変失礼ですが、比較的細やかな被害であっても、そのエリアは全部救われると。極端なことを言えば、大規模半壊がほとんどであっても、そのエリアは認められないという、これはどう考えても公平の観点から認めにくい、考えられないような制度だと私は思っておりますし、関係大臣あるいはまた関係の与野党の主たる人にお話をしても、理解をしていただきますし、六月八日に本県選出の国会議員の方々、ほぼ細川大臣と枝野大臣以外は全員、長時間にわたって御出席いただきましたが、全員御理解をいただいているところでもありますので、本来こうしたものはすぐにでも政令で改正されなければならないのが、まだまだぐずぐずしているというところに、いろいろ今日の政権の課題があるのではないかと私は思っておりますが、いずれにしても基本的には関係の皆様たちは理解をされている。そして、本県選出の国会議員団の皆さんたちもそのとおりと。したがって、国会レベルで決まらない話ではないという認識に私は立っておりますが、ただタイミングとしてはこの二次補正もしくは三次補正の予算成立時にですね、この予算として措置されなければいけませんので、これが一つの目安になるというふうに思っておりますので、このときが勝負だということですので、是非、梅澤議員におかれましても、国レベルでの問い掛けを特にお願いをしたいというふうに私自身もお願いをしたいと思います。 次に、県としての支援策でございますが、現在の制度そのものは今申し上げたとおりでございますので、まずは制度をつくった国の責任において不合理な制度を改めるべきだと思っております。そして、これは国と全国知事会、都道府県で二分の一ずつこの費用を負担するという制度でありますが、このような大きな災害ではとても持ち切れないということで、特例措置についてもずっと私どもお願いをしていたところ、大方の理解が進んできましたので、枠組みはできそうでございます。したがって、一にも二にも国できちんと制度をつくっていただくというのが私は筋だと思っております。もとより、そうした国がきちんとしたことをやった上で、その上でもし、もしもというようなことがあれば、当然、県や市が何らかの形で考えなければいけないと思いますが、やはり筋道はきちっとしておかないといけないというふうな認識に私は立っております。 次に、液状化マップについてでございますが、埼玉県では平成十九年度に埼玉県地震被害想定調査を行っております。この調査では、県内を二百五十メートルのメッシュ六万に区切って、一万二千本以上のボーリングデータを活用して地質調査を行っています。その上で、実際の地下水位も考慮して液状化マップを作成しました。液状化の危険のある五十五市町村のうち、四十七市町村ではこのデータなどを基に住民向けの液状化マップを作成しております。 議員御指摘のとおり、液状化の危険のあるところで家を建築する際には、液状化マップを参考にした上で、必要な地盤改良工事を行っていただければ、液状化に耐えられる安全な家が建てられることができます。今後は、住民向けの液状化マップを作成していない市町村に対し、作成を働き掛けるとともに、市町村において液状化マップを住民に広く周知していただくように働き掛けてまいります。 次に、住民保護のための地震保険の適用範囲拡充についてでございます。 液状化で傾いた家屋の地震保険の適用範囲は、従来は三度以上傾いた場合のみを全壊とし、沈み込みは認められておりませんでした。しかし、今回の地震において基準が緩和され、家屋が一度傾く、あるいは三十センチを超えて沈み込む場合には全壊となりました。この新基準も、三月十一日に遡って適用されますので、被災者の立場に立った改正であり、一定の評価はできるのではないかと思います。更に拡充をしていかなければと思っています。 そこで、地震保険制度の拡充については、全国知事会でも国の提案要望を行っているところでもございます。今後とも、機会を捉えては国や日本損害保険協会に粘り強く働きを掛けていきます。 次に、地震保険の保険料についてでございますが、地震保険は火災保険に入った上で、その上乗せとして入る制度ですので、どうしても火災保険料との合計になってしまいますので、保険料が高くなってしまうという問題があります。平成二十三年度三月末現在の加入率は、全国平均が二三・〇パーセント、本県は二三・三パーセントであります。一般論でいえば、保険料が少しでも安ければ契約者が増えて、契約者が増えれば保険料が更に安くなるという、そういう循環になっていますので、正しく国と損害保険会社が多くの人々が地震に関心を持っているこの時期を捉えて、加入者を増やしやすくするような地震保険の制度設計を行うべきではないかと考えております。 次に、埼玉県の高校改革についてのお尋ねのうち、埼玉県の公私比率でございます。 もとより、公教育の一端を担う公立高校と私立高校がお互いに切磋琢磨することで、埼玉県全体の底上げができるものだと思っております。この公私比率は、昭和五十三年度から埼玉県公私立高等学校協議会で毎年協議し、確認の上、公私間で了解してきたそうであります。また、例年十月一日に実施している県内中学三年生の進路希望調査によると、八〇パーセントの人が公立学校への進学を希望しているという実態もあります。こういうデータを単純に見れば、この公立学校の比率を増やせというような議論だって出てくるんですが、しかし、そこは公私間の協議の中で、一定程度の歩み寄りの中で、この比率が決まってきている、このように私は聞いております。 問題は、公私間のこの協議の中身の中で、中身が何ら変更されない。私は、時代時代によって変化が起こっていくはずだというふうに理解しておりますが、私自身この私立学校関係の協議会にもよく出席をさせていただいておりますが、特段そうした話を聞いておりません。改めて、このことも聞いてみたいと思っています。 いずれにしても、このそれぞれの関係者がどのような判断をして、これを決めてきたかということについて、よく確認の上、改めてお答えする機会もあるかと思っています。 次に、私立高校の運営費補助の見直しについてでございます。 私立高校に対しては、学校への運営費補助と授業料についての父母負担軽減事業補助の二本柱で助成をしています。私学振興を図る上で、どちらも欠かすことができませんが、平成十五年十二月県議会において、より一層授業料などの補助を行うように決議を受けております。この趣旨を踏まえて、父母負担軽減事業補助を中心に私学助成の充実を図ってきたところでございます。この結果、年収五百万円未満の世帯に年間授業料平均額の三十六万円を補助するなど、内容的には全国トップレベルの水準になっています。 確かに、運営費補助の生徒一人当たりの単価は全国四十七位という数字が出ます。これは人数が多いことなどもあります。しかし、父母負担軽減事業補助の単価は、全国で四位でありますし、運営費補助と父母負担軽減事業補助を合わせた予算総額は全国で六位、合わせると六位なんですね。しかも、これ一校当たりの補助額では全国五位になるという事実もあるんですね。だから、どのように、こう見ていくかというのが大事だというふうに私は思っております。 確かに、学校側に対する運営費の補助は少ないと。しかし、父母に対するこの補助は多いと。もし、学校がよりいい建学の理念とよりいい教育を行っていれば、子供たちが殺到します。親の評価も高くなります。だから、より健全な経営ができると。逆にもし、いいかげんなと言っては失礼ですが、やや内容的に劣るような教育をやっていても、もし運営費補助が多額に出ていれば学校は存続できるという、こういう図式も成り立つのかなというふうに私は思っておりますので、私は父母の負担の軽減事業のほうを重く持つという、こうした県議会の決議というのはまっとうだというふうに理解をしておりますので、こうした点で御理解を賜りたいなというふうに思っております。 最後に、さいたま新都心第八-一A街区の整備についてのお尋ねのうち、さいたま市長との信頼関係についてでございますが、具体的にさいたま市、都市再生機構の三者で協議会を設置し、三菱地所グループの撤退表明以降、当該区の整備について協議を重ねてきました。そして、具体的には都市再生機構では民間開発の可能性を、県とさいたま市は公共主体での土地利用を検討してきました結果、去る六月一日、二つの病院を核とした一体的整備を県主導によって進めることを三者協議会で提案し、合意を得ました。また、さいたま市長とは折に触れて意見交換をしております。この件についても、直接何度も話はしております。その中で、さいたま市長も全面的に賛同し、今後も協力する旨のお話もいただき、したがってそういう趣旨の中で六月二日に共同記者会見もしております。さいたま市長との信頼関係は、そういう意味では大丈夫というふうに私は思っております。 次に、さいたま市をはじめとする関係との協議についてでございますが、県では関係機関の意見を調整し、事業を推進するための専担組織を立ち上げております。さいたま市は、庁内にプロジェクトチームを発足させていますので、両者で実務的な詰めを行ってまいります。また、二病院間での医療連携などについて、医療スタッフを交えた協議の場を設置し、話し合いを進めていきます。 次に、小児医療センターに隣接する東部地域の医師会との話し合いについてでございます。 当センターは、昭和五十八年の開所以来、二十八年が経過し、耐震診断の結果、耐震化が必要となっています。現在地で診療を行いながら耐震工事を行うことは困難と判断し、新都心への移転を決めたところでもございます。この度の計画は、さいたま赤十字病院との連携により、喫緊の課題であります周産期医療、救命救急医療の充実を図るものであります。事前に東部地域の医師会との話し合いはしておりませんが、県医師会との主要メンバーの方々とはお話をさせていただいております。小児医療センターの移転が平成二十七年度を予定しておりますので、まだ時間もいささかありますので、地域の医師会の皆様とは今後十分意見を交換しながら御理解をいただきたいと思っております。 いずれにしても、東部地域の医療水準が低下しないように、医療体制を整備していくべきだと思います。様々な課題を一つ一つ解決しながら、より県民の安心・安全のシンボルとなるような医療拠点の整備を図っていきたいと考えております。       〔前島富雄教育長登壇〕 ◎前島富雄教育長 御質問二、埼玉県の高校改革についてお答えを申し上げます。 入試日程の変更も含む入試制度の改善は、有識者、保護者代表、中学校代表者及び高校代表者等を委員とする入試改善検討会議から、平成十八年十二月に出された報告に始まります。この報告は、しっかりと学力をつけさせるため、全ての生徒に学力検査を受検させること、中学校三年生の授業時間の確保のため、一回の募集とし、入試の日程を遅らせることなどを柱にしております。また、県教育局でも、学校関係者と入試日程の在り方について検討を続けてまいりました。そして、平成二十二年四月には、受検した生徒、中学校及び高校へのアンケートも実施し、受検機会は一回が良いとの意見が多い結果となりました。検討会議の報告及びこのアンケート結果等を踏まえて、三年生の最後までしっかり勉強をし、確実に学力をつけさせるという趣旨から入試の日程を遅らせ、平成二十四年三月に行う入試からは一回の募集としました。 お尋ねの入試日の固定化でございますが、本県の入試日程は中学校の教育活動等を考慮して毎年定めております。その結果として、平成二十四年三月に行う入試は、三月二日に学力検査、九日に発表、平成二十五年三月に行う入試では、三月四日に学力検査、十一日に発表としております。この日程は、受検する生徒へは中学二年の早い段階で公表し、生徒や保護者へは十分に周知されております。この春の後期募集の発表は三月十日でしたが、その後の受検生への対応や高校入学に向けての準備等に特に問題はありませんでした。子供たちにとっての入試は、中学校の総まとめであり、人生の一つの節目でもあります。今後とも、中学校と高校の連携を密にし、入試が円滑に実施できるよう努めてまいります。       〔降田宏保健医療部長登壇〕 ◎降田宏保健医療部長 御質問四、水道広域化の推進についてお答えを申し上げます。 埼玉県の水道は、水需要の低迷による収益の減少、施設の耐震化、老朽施設の更新、技術者の確保、料金格差など様々な課題を抱えております。これらの課題を解決するために事業の効率化を図り、経営基盤を強化する必要がございます。 議員からの御提案もいただき、平成十八年から水道の広域化について県内の全水道事業者と検討を積み重ねてまいりました。その結果、広域化に向けた機運が醸成されましたこともあり、本年三月に埼玉県水道整備基本構想を改定したところでございます。この構想は、平成四十二年度を目標に現在六十ある水道事業を十二のブロックに統合し、最終的には県営水道も含め県内水道の一本化を目指すものでございます。 しかし、今回の東日本大震災では、県内においても約四万二千戸の断水被害や十七の水道事業体で漏水が発生いたしました。特に、久喜市南栗橋地区においては、液状化現象により水道管が破損し、完全に復旧するまでに約三カ月を要しました。今後予測される大規模地震に備え、水道施設の更新や早急な耐震化のためにも、早期の広域化に取り組んでいく必要がございます。一方、料金格差や財政状況など地域によって抱える課題もさまざまであり、水道事業者間で温度差がございます。 県といたしましては、各ブロックに検討会を設置し、耐震化が急がれる地域については優先して協議を促すなど、水道事業者間の調整や助言を行い、少しでも早く広域化が進展するよう努めてまいります。       〔石田義明公営企業管理者登壇〕 ◎石田義明公営企業管理者 御質問四、水道広域化の推進についてお答えを申し上げます。 水道広域化は、将来にわたる経営の安定化と技術力の維持などのメリットがございます。そこに企業局が参加することにより、水源から蛇口まで一貫した管理の下、水道水の安全性を一層確保することができ、経営の安定化にも資することになります。 しかし、現状では水道料金の格差や施設の更新状況の違いなど、広域化に向けた解決すべき課題がございます。 企業局と一緒に水道広域化の研究を行っております比企地域を例に挙げますと、一般家庭の一か月の水道料金を見ますと、その差は約一・六倍となっております。また、古くなった施設の更新が進んでいるところと、そうでないところがございます。このため、取組の第一歩として、今年度から比企地域の受水団体と水道管の漏水修理に必要な資機材の共同使用に着手したところでございます。また、水質検査につきましても、一団体ではございますが、企業局が受託を始めたところでございます。今後は、水質検査の受託を他の受水団体にも拡充し、その取組成果を見きわめてまいります。 さらに、施設の維持管理業務の一括発注ができないかなど、広域化に向けた方策を更に検討してまいります。       〔松岡進産業労働部長登壇〕 ◎松岡進産業労働部長 御質問五、高齢者の就労支援についてお答えを申し上げます。 まず、シルバー人材センターにおいてどのようなことが課題となっているのかについてでございますが、第一に高齢化の進展に伴う会員数の増加に対し、全ての会員に希望する就業機会を提供していくことができるかという点でございます。また、第二に国からの補助金が削減される中、いかに自立した運営を行うかという点が課題と考えております。 次に、事業仕分けで存在意義を問われたシルバー人材センター連合は、そうした課題にどう対応するのかについてでございます。 シルバー人材センター連合では、増加する会員に対し、広域的な仕事の確保や事業の一層のPRに努めることにより、就業機会の拡大を図っております。また、新たに成年後見人事業を企画し、各シルバー人材センターでの実施を促すなど、収入の確保を図ることにより各センターが自立した運営ができるよう支援しているところです。 次に、県としてシルバー人材センター連合にどう関わるのか、また国への要望や働き掛けなどは考えているのかについてでございます。 県では、各センターが事業を効率的に運営する上で連合が果たす役割は大変大きいと考えております。特に、今年度は連合の企画提案による新規事業が採択され、国からの補助金二百万円が追加交付されております。県といたしましては、今後もこうした企画提案に協力、参画するなど、連合と一体となって国に働き掛け、センターの自立的な運営を後押ししてまいります。今後とも、より多くの高齢者が経験と能力を生かしつつ、地域社会に貢献しながら生き生きと働くことができるよう、シルバー人材センターを支援してまいります。       〔岩崎康夫都市整備部長登壇〕 ◎岩崎康夫都市整備部長 御質問六、子育て応援マンションの認定に係る地域コミュニティについてお答えを申し上げます。 子育て応援マンション認定制度は、子育て世帯の定住や住み替えの促進を目指し、安心して子育てできる住環境づくりを誘導するものでございます。この制度は、県がマンション事業者の申請を受け、子育てに配慮したマンションを認定し、登録するものです。マンション事業者は、県の認定マークを販売広告などに掲載して特徴をアピールいたします。これにより、マンション購入者は子育てに配慮したマンションの選択がしやすくなります。認定基準の評価項目は、子育てに配慮したソフト事業とハード整備及び立地特性の三項目です。このうち、ソフト事業には、例えば夏祭りなど子供が参加できるイベントの開催などが含まれます。認定を受けたマンションでは、こうした地域活動が活発になりますことから、マンション住民と地域の方々との交流が期待できます。地域コミュニティの形成には、市町村が大きな役割を担っております。そこで、マンションで開催されるイベント情報で地域活動と関連するものを県が市町村に提供することにより、地域コミュニティづくりに役立てていただくことができるものと考えております。子育て応援マンション認定制度は、七月からスタートいたします。まず、この制度を県内に広め、積極的にその普及を図ってまいります。       〔荒井幸弘福祉部長登壇〕 ◎荒井幸弘福祉部長 御質問七、介護職員の確保と定着についてお答えを申し上げます。 まず、介護職員処遇改善交付金を申請しない事業者に対する働き掛けと成果についてでございます。 県では、毎年度、全事業者に対して制度の周知や注意喚起を図るため、交付金の案内通知を送付し、申請を促しております。また、平成二十二年十二月には、新規の約百五十の事業者に対し、また平成二十三年五月には全ての事業所約四千を集めて説明会において、この制度の活用を呼び掛けました。これらの取組などにより、申請率は平成二十一年度の八一パーセントから二十三年度には八五パーセントへと上昇いたしております。 次に、平成二十四年度の介護報酬改定の見通しについてでございます。 介護報酬改定については、国の社会保障審議会において平成二十四年一月の諮問答申に向け、この四月から検討が開始されました。審議会では、介護職員の処遇改善の方法は、介護報酬の改定か交付金の継続かについて議論がなされており、その方向性は現在は不透明でございます。 県といたしましては、介護職員の処遇改善を進めるためには、介護報酬にしっかりと組み入れる必要があると考えております。そこで、今月、国に対し処遇改善が具体的に反映されるような介護報酬の見直しを行うよう要望いたしたところでございます。 次に、介護職員キャリアアップ・チャレンジ事業の実績と成果についてでございます。 介護事業所に従事する職員の五〇パーセント以上が介護福祉士の資格を取れば、介護報酬が加算され、職員の給与引上げにつながります。平成二十二年度は、九百二十五の事業所がこの補助制度を利用し、介護職員一千二百六十四人が介護福祉士の資格を取得いたしました。その結果、介護報酬が加算されるなどした七百四十七の事業所において、月額で平均約八千円の給与引上げが実現をいたしました。今年度は、小規模事業所が利用しやすいよう申請書類を簡素化するとともに、引き続き彩の国だよりや関係福祉団体の機関紙などを活用し、制度の目的や効果をPRして利用促進を図ってまいります。 次に、今後介護職員の定着をどのように促進していくかについてでございます。 介護職員が離職する原因としては、給与が低いことのほか、自分の能力を高める機会がないといった理由が高い割合を占めております。そこで、現在、県では認知症や発達障害に関する研修など、年間三十五の講座、二百十三日間の研修を実施し、介護職員の能力向上に取り組んでおります。また、事業者が職員の社会福祉士などの資格取得を支援するための経費の一部を助成をいたしております。人材の定着を図るためには、事業者の経営能力を高めることが大変重要でありますので、今年度新たに人材育成システムの構築や財務分析の指標などを内容とするトップマネジメントの研修も実施をいたしてまいります。今後とも、より効果的な事業を積極的に展開し、介護職員の定着率の向上に努めてまいります。       〔成田武志県土整備部長登壇〕 ◎成田武志県土整備部長 御質問八、地元問題についてお答えを申し上げます。 まず、(一)都市計画道路幸手鷲宮加須線の整備についてでございます。 この道路は、幸手市の国道四号から旧鷲宮町を経由し、加須市の国道一二五号を結ぶ延長約九キロメートルの幹線道路でございます。昨年八月には、県道さいたま栗橋線までが四車線で開通し、全線開通まで残り二・四キロメートルとなりました。このうち、県道さいたま栗橋線から加須市境までの約一・三キロメートル区間は、平成二十三年度は路線測量と道路設計を進めてまいります。今後、地元の皆様の御協力をいただきながら、地元説明会と用地測量を行い、まずは用地買収を進めてまいります。 また、加須市内の約一・一キロメートル区間は、平成二十年度から用地買収に着手しており、用地買収率は約四一パーセントとなっております。引き続き、早期の工事着手に向けて、用地買収を進めてまいります。今後も、地元の皆様の御協力をいただきながら、早期に全線開通できますよう事業を推進してまいります。 次に、(二)青毛堀川の改修についてでございます。 平成二十年八月末の豪雨では、県内各地で大雨の影響を受け、青毛堀川流域でも旧鷲宮町で二百棟の床上、床下浸水が発生いたしました。この川は、昭和五十五年度から河道の整備を下流から順次進めておりますが、旧鷲宮町まで整備を進めるには、まだ時間を要する状況でございます。地元の熱心な御要望もございましたので、浸水被害を早期に軽減するため、堤橋の下流に約二万立方メートルの暫定的な調節池を整備することといたしました。現在の進捗状況は、用地買収率が約七一パーセントで、平成二十三年度は引き続き残る用地買収や掘削工事などを進めてまいります。 今後の見通しでございますが、来年の出水期の一部供用を目指し、工事を進めてまいります。今後とも、この地域の浸水被害の軽減を図るため、この調節池の早期完成と青毛堀川の改修に積極的に取り組んでまいります。       〔五十番 梅澤佳一議員登壇〕 ◆五十番(梅澤佳一議員) 大変お疲れのところ、申しわけございません。二点ほど再質問をさせていただきたいと思っています。 一つは、教育に関することなんですが、確かに父母負担軽減補助事業は私の質問で言ったように、もう国の最高レベルということでありますが、私学の運営状況が大変だということです。これは、公私間の比率にもよるということで、知事もさっきおっしゃいました。八割の公立志願があるから、そういうことも一つの理屈だよということもありますが、浦高だとか、大宮高校だとか、市立浦和だとか、浦和一女だとか、この辺のはすごく倍率が高いんです。 しかしながら、地域の学校になると、残念ながら定数割れをしている学校もあります。そんな状況があるんです。 私学の場合は、国の補助金が約三十万円ちょっと入っているわけです。その中で、二十六万七千三百三円ということです。これはずっと全国最下位ということで、私学の非常に運営は厳しい。定数を広げたいです。やっぱり来てもらいたいんですが、定数を広げると補助金がカットされます。そういう状況でありますから、公私比率も関係あるんですけれども、この辺の状況をきちんと知事のほうでもお願いしたい、再質問をさせていただきたいと思っています。 教育長に伺います。教育長は、来年の受検日を三月二日、そして再来年が三月四日ということであります。私の質問では、統一できないかということでありまして、統一、ではされない理由は何ですかということです。再来年は三月四日、十一日に発表、中学校の卒業式は大体三月の十五日近辺です。ですから、三日か四日しかありません。県立に落ちた子供たちは、どういう手続をとって、どういうことをしなければならないかというのは、教育長はよく御存じなわけで、これで全く問題ありませんということは、全然認識不足といいますか、そんなことしか思えませんので、再度伺いたいと思っています。よろしくお願いします。       〔上田清司知事登壇〕 ◎上田清司知事 梅澤佳一議員の再質問にお答えをします。 考え方をどうするかという課題になってくると思います。じゃ、今度こちらを上げます。そのかわり運営費補助を上げるかわりに、父母の負担軽減を下げていく、こういう議論がいいのかどうか。しかし、十五年の十二月には、その逆の提案を決議としてやっておりますので、そういう考え方をどう整理するかということについては、まだまだ議論が必要かなというふうに思います。今すぐ、ここで結論を出す話ではないのかなというふうに思います。 いずれにしても、こうした重要な提起がなされたということは、県の教育委員会、また私学協を含めてですね、しっかり議論をしていかなければならないのではないかと思います。       〔前島富雄教育長登壇〕 ◎前島富雄教育長 二、埼玉県の高校改革についての再質問にお答えを申し上げます。 入試期日の問題でございます。例えば、発表の日でありますと、平成二十二年度の入試は三月十日でした。そして、二十三年度入試は三月、同じく十日、そして一本化となる来年、平成二十四年度の入試の発表日は三月九日でございます。したがって、発表日は同じ時期になります、ほぼ。したがって、中学生への影響は、そういう意味で特にないというふうに考えております。 そして、この入試日程そのものは、これまでも中学校の教育活動等を考慮して、そして学校の行事等も含めて、それらを含めて毎年定めております。ほぼ三月二日ないし四日の間、そして発表は十日を挟んだ九日、十一日、その範囲内で実施しております。そして、試験にうまくいかなかった生徒に対する配慮は、それはもう全て各学校で懇切丁寧にいろいろな対応をしているのが実態でございます。 以上です。 ○鈴木聖二議長 ほかに発言通告がありませんので、知事から提出された第八十五号議案ないし第九十四号議案に対する質疑並びに県政に対する質問は終了いたしました。          ---------------- △第九十五号議案に対する質疑 ○鈴木聖二議長 これより、第九十五号議案に対する質疑を行います。 発言通告がありませんので、質疑は終了いたしました。          ---------------- △第八十五号議案~第九十五号議案並びに請願の各委員会付託 ○鈴木聖二議長 これより、議案並びに請願の付託を行います。 本定例会に提出された第八十五号議案ないし第九十五号議案並びに請願につきましては、お手元に配布しておきました付託表のとおり、各所管の委員会に付託いたします。〔参照-(六)(六〇)ページ〕          ----------------次会日程報告鈴木聖二議長 以上で、本日の日程は終了いたしました。 明七月一日、五日及び七日は、議案調査のため本会議は開きません。 二日及び三日は、休日につき休会といたします。 四日ないし六日の三日間は、各委員会を開き、付託案件の審査を願います。 来る八日は、午前十時から本会議を開き、各委員長の報告を求め、質疑、討論並びに採決を行います。          ---------------- △散会の宣告 ○鈴木聖二議長 本日は、これにて散会いたします。午後四時十七分散会          ----------------...